[II-P01-2-02] Perioperative risk factor of Delayed extubation after pulmonary artery banding
Keywords:肺動脈絞扼術, 新生児, 人工呼吸器
【はじめに】肺動脈絞扼術は先天性心疾患における代表的な姑息術である。当手術により高肺血流に起因する心不全が軽減され, 術後比較的早期に人工呼吸器から離脱できることが多いが, 人工呼吸器離脱が遅延する例も散見される。【目的】新生児乳児期における肺動脈絞扼術後患者において, 人工呼吸器期間延長と関連する因子を分析する。【方法】期間: 2019年1月から2023年12月までの5年間, 患者: 当院で高肺血流制御を目的に肺動脈絞扼術を実施した新生児及び乳児。診療録, 手術記録, 集中治療室記録から後方視的に情報を収集。72時間以上を人工呼吸器期間延長と定義した。【結果】期間中, 38例に肺動脈絞扼術が実施されていた。年齢, 体重の中央値は生後22日, 3.0kg。染色体異常の合併は9例(23%), 術前の気道呼吸器合併症は11例(29%)に認めた。術後の人工呼吸器管理時間の中央値は45時間(四分位範囲: 25-74時間)であり, 72時間以上の人工呼吸器期間延長群は8例(21%)であった。人工呼吸器期間延長の有無による比較では, 非延長群と延長群で, 年齢(非延長vs延長: 生後25対15日), 体重 (3.0対3.0kg), 染色体異常の合併(6/30例, 20% 対 3/8例, 37%), 術前の気道呼吸器合併症の有無(8/30例, 26% 対 3/8例, 38%)に差を認めなかった。術後の因子の比較では, peak Lactate(23対24mg/dL), peak CVP(11対12mmHg), %FO(Fluid Overload, 3.0対4.6%)に差を認めなかった。差を認めたのは術後合併症の有無であり, AKI(5/30例, 16% 対 4/8例, 50%), 乳び胸腹水(3/30例, 10% 対 4/8例, 50%)となった。【結語】新生児乳児期における肺動脈絞扼術後の人工呼吸器期間延長には, 術前の因子, 術後血行動態の影響は少なく, 術後合併症, 特にAKI, 乳び胸腹水合併の影響が大きい可能性がある。