The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

集中治療・周術期管理

Poster Session(II-P01-2)

Fri. Jul 12, 2024 12:40 PM - 1:40 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:大崎 真樹(東京都立小児総合医療センター)

[II-P01-2-03] Inter-hospital transport of patients suspected of having pediatric cardiovascular disease

細谷 通靖, 林 拓也 (埼玉県立小児医療センター 小児救命救急センター)

Keywords:病院間搬送, 小児循環器疾患, PICU

【背景】小児循環器疾患症例の搬送は状態が不安定であることが多く、病態の診断および搬送にあたっての介入の判断に悩む例が少なくない。
【目的】当院へ転院しPICUへ入室した小児循環器疾患患者について、その搬送の様態について現状を調査する。
【方法】2017年1月から2023年12月まで循環器疾患にて当院PICUへ転院した症例について病態、転院方法、転院までの治療について診療録を元に後方視的に検討した。
【結果】対象期間に当院PICUへ循環器疾患で転院となった症例は123例(迎え搬送52例、前医同乗搬送71例)であった。迎え搬送患者の病態としては心不全26例、先天性心疾患13例、不整脈8例であった。前医同乗搬送患者では先天性心疾患27例、心不全25例、不整脈6例、心嚢水貯留4例であった。搬送にあたり介入(気管挿管、血管作動薬、輸液負荷など)を要した患者は迎え搬送で38例(73%)、前医同乗搬送で10例(24%)であった。迎え搬送症例において搬送中の合併症は認めなかった。PICU退室時の死亡症例は6例あり、前医受診から依頼までの時間が中央値12時間と非死亡例(中央値2時間)と比較して長い傾向があった。迎え搬送依頼の時点で循環器疾患が疑われていなかった症例は5例あり、不整脈2例・肺高血圧症1例・心筋梗塞1例・先天性心疾患1例)であった。
【考察】迎え搬送依頼の患者は状態が不安定で緊急度が高く、搬送中からの介入を要することが示唆された。心室収縮が低下する心不全疾患に比して不整脈などほかの心疾患は診断しにくいと考えられた。
【結論】小児循環器疾患は専門性が高いうえに重症度が高く診断・治療の遅れが致死的になりうるため、依頼時には循環器疾患が疑われていない場合でも常に循環器疾患の可能性を念頭に置く。より安全な搬送を執り行うために、遠隔医療による小児循環器医のサポートや適切な搬送を行える体制を整備することが必要である。