[II-P01-2-07] Outcomes of Primary Sternal Closure for Postoperative Mediastinitis in Children
Keywords:縦隔炎, 周術期管理, 感染症
【背景】術後縦隔炎は早期診断を行いドレナージや徹底的なデブリードマンが重要で、その後一期的または二期的胸骨閉鎖が施行される。【目的】当院では一期的胸骨閉鎖を選択しており、その治療成績を検討する。【方法】2007年1月~2024年2月まで先天性心疾患に対して胸骨正中切開を施行した1657例のうち、術後縦隔炎を発症した20歳以下の28症例(1.7%)に関して後方視的に検討した。縦隔炎は身体所見、CT所見、培養結果を統合し診断した。再手術率、縦隔炎再発率、術後合併症、ICU滞在期間、死亡率などを評価した。【結果】月齢中央値10カ月(0~228カ月)、体重中央値7.8kg(2.2~64.2kg)だった。姑息術/根治術は6例/22例であり、2例で先行手術後に開胸管理をしていた。心外人工物留置は20例(71.4%)であった。手術からドレナージまでの期間は中央値18日(4~41日)、起因菌はMSSA12例、MRSE4例、MRSA4例、CNS2例、緑膿菌1例、その他3例、不明2例であった。縦隔炎関連の敗血性ショックを1例(3.6%)認めた。縦隔炎の再発を1例(3.6%)で認めたが、再度デブリードマン、一期的胸骨閉鎖を施行して治癒した。縦隔膿瘍残存が1例(3.6%)で抗生剤加療を継続して軽快した。創し開が2例(7.1%)でいずれも保存的に治癒した。抗生剤静注期間は中央値15日(4~46日)、ICU滞在期間中央値4日(1~87日)、在院日数中央値23日(6~87日)であった。平均観察期間は115カ月(0~202カ月)で遠隔期の感染再発例はなく、胸郭変形・不安定性を来した症例は1例も認めなかった。【考察】当院での一期的胸骨閉鎖の治療成績は許容できる成績だった。徹底的なデブリードマンと洗浄が寄与していると考えられた。【結語】小児縦隔炎に対する一期的胸骨閉鎖は有効な治療戦略と考えられた。