[II-P01-2-09] Considering the introduction of Cardiac Surgery Advanced Life Support (CALS) in our hospital
Keywords:開心術後, 心肺蘇生法, CALS
[背景]当院でも先天性心疾患術後周術期に蘇生事象が生じ、通常の心肺蘇生を経てECPR を含めた対応が必要となる。開心術後心肺蘇生プロトコルCALSの導入について考える症例を経験した。[目的]開心術後心肺蘇生プロトコルCALSについて知り、近年生じた蘇生事象について振り返り、その導入意義について検討する。[対象・方法]2023年1月から12月までに当院小児集中治療室に心臓手術周術期に入室した116例のうち術後早期に蘇生事象が生じた4例を対象とし、単施設後方視観察研究を実施した。原疾患、実施手術、蘇生事象の原因、心臓マッサージの有無、ペーシング利用、アドレナリン使用量、蘇生行為の弊害の有無等を抽出し、結果としてCALSに即した行動ができたか、アウトカムとしてROSC及び生存退院に結びついたかを検討する。[結果]4例に対して5回の蘇生事象が発生した。原疾患は2心室修復対象が3例と単心室修復対象がが1例で、施行術式は根治術3例、姑息術1例であった。原因は高肺血流性ショック1例、低心拍出状態に対し、ECMO を装着したのちのECMOトラブル2例、その他2例で、致死的不整脈、および心タンポナーデの存在が推測された症例はなかった。心臓マッサージは全例に実施された。ペーシングは実施可能な症例では施行したが、心臓マッサージ回避に繋がらなかった。アドレナリンは小児の蘇生法として推奨されている0.01mg/kg/回が投与された。蘇生行為の弊害の有無は不明だが、アドレナリン投与での異常高血圧出現や心臓マッサージによる心破裂が証明された例はなかった。全例ROSCしたが、ECPRをめざしてもECMO導入に時間を要する傾向にあった。PCPCの悪化をきたした症例があることは否めない。[結論]術直後であっても心臓マッサージが重要なことに変わりはない。CALSを踏まえた上でその先の展開を踏まえつつ準備を怠らないように努める必要があると考えた。