The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster Session

川崎病・冠動脈・血管

Poster Session(II-P01-3)

Fri. Jul 12, 2024 12:40 PM - 1:50 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:長井 典子(岡崎市民病院 小児科)

[II-P01-3-01] Efficacy of Infliximab in Kawasaki Disease Refractory to Immunoglobulin Therapy -PEACOCK Sub-analysis-

小山 裕太郎1, 妹尾 祥平1, 山田 浩之1, 永峯 宏樹1, 大木 寛生1, 前田 潤1, 三浦 大1, 仲澤 麻紀2, 福島 直哉3, 益田 博司4, 山岸 敬幸5 (1.東京都立小児総合医療センター 循環器科, 2.埼玉病院 小児科, 3.平塚市民病院 小児科, 4.国立成育医療研究センター 総合診療科, 5.慶應義塾大学医学部 予防医療センター)

Keywords:川崎病, インフリキシマブ, 免疫グロブリン製剤供給不足

【背景】免疫グロブリン(IG)療法不応の川崎病に対して,ガイドラインではインフリキシマブ(IFX)が2nd line以降に位置付けられている.昨今のIG製剤の供給不足もあり,代替としてIFXが期待される.【目的】IG不応例に対するIFXの有効性を明らかにする.【方法】本研究は,川崎病の急性期治療の有効性に関する多施設共同前向きコホート研究(PEACOCK)の二次データを利用した.2016年7月から2024年1月までに登録され,急性期治療でIFXを使用した症例を対象とし,患者背景,IFX投与の時期,反応性,心臓超音波検査データの推移を調査した.【結果】研究期間中に2003例の登録があり,うちIFX使用は73例であった.年齢は3.1±2.4歳で男児が43例(59%)を占め,小林スコアは4.7±3.0点と高値を示した.2nd line(中央値6.5病日)で投与した4例は全例で奏功し,3rd line(中央値9.0病日)で投与した69例についても44例(64%)で解熱が得られた.冠動脈径Zスコアは治療開始前→1か月後でそれぞれ,右冠動脈が0.43→0.82,左前下行枝が0.25→0.62と若干の増加を認めた.発症1か月後の冠動脈径Zスコア(最大値)は2以上2.5未満を2例(3%),2.5以上5未満を4例(5%),5以上10未満を2例(3%)に認め,いずれも3rd lineでの投与症例だった.冠動脈狭窄や心筋梗塞を生じた例はなく,重篤な有害事象を2例に認めたが,2例とも急性肝障害でアスピリン中止後に改善した.【考察】IFXは重症例に多く使用されていたが,高い奏効率が得られており,IFXに関連した重篤な有害事象は認めなかった.今後,2nd lineでのIFX使用症例が増加する可能性があり,その影響を検討したい.