The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster Session

川崎病・冠動脈・血管

Poster Session(II-P01-3)

Fri. Jul 12, 2024 12:40 PM - 1:50 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:長井 典子(岡崎市民病院 小児科)

[II-P01-3-10] A case of 7-month-old girl, who suffered from drug-induced arthritis, while taking low doses of aspirin, as a treatment of Kawasaki Disease

柏木 菜緒, 渡邉 友博, 中村 蓉子, 大鹿 美咲, 渡部 誠一 (総合病院土浦協同病院)

Keywords:川崎病, 薬剤性関節炎, アスピリン・フルルビプロフェン

【背景】川崎病患者が関節症状を来した場合、急性期または回復期の関節症状合併例か、もしくは若年性特発性関節炎(以下JIA)が鑑別に挙がる。今回、川崎病初期治療が奏功し、低用量アスピリン継続中に再度発熱し、最終的に薬剤性関節炎と考えられた症例について報告する。【症例】7か月女児。頸部リンパ節腫脹以外の川崎病症状が陽性で診断し、免疫グロブリン製剤とアスピリンに反応良好で退院した。2週間後、低用量アスピリン継続中に、再度38℃台の発熱を認めた。膿尿があり抗菌薬を投与したが解熱せず、尿培養陰性のため終了した。入院5日目に手関節の腫脹を認め、MMP-3 625 ng/mLと高値であることから、全身型JIAも鑑別にあがったが、関節外症状は認めなかった。好酸球が2~5.5%、最大0.77×109/Lと高値で推移しており、薬剤アレルギーを考慮し、アスピリンからフルルビプロフェンに変更し、発症2か月まで継続した。足関節MRI検査で滑膜炎を認め、予後改善のためにステロイドを導入し、解熱を得られた。最終的に薬剤誘発性リンパ球刺激試験でフルルビプロフェンが陽性と判明し、薬剤アレルギー性の関節炎の可能性があると考えた。その後、ステロイドを漸減終了し、再発なく経過している。【考察】本症例は経過からはアスピリンやフルルビプロフェンによる薬剤性関節炎と考えているが、既報では検索しうる限りは認めない。川崎病は急性期もしくは回復期に股関節などの大関節の炎症を来たすことがあるが、自然軽快することが多い。また、全身型JIAの関節外症状は本症例では認めなかった。以上の点から本症例は薬剤性関節炎と判断した。その機序は不明だが、今後川崎病の低用量アスピリン継続中に関節炎・不明熱を合併した場合、鑑別の一つとして薬剤性関節炎を考慮することは有用と考える。