第60回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター発表

複雑心奇形(外科)

ポスター発表(II-P01-5)
複雑心奇形(外科)1

2024年7月12日(金) 12:40 〜 13:40 ポスター会場 (2F 多目的ホール)

座長:木村 成卓(慶應義塾大学医学部 外科学(心臓血管))

[II-P01-5-03] 一弁肺動脈弁に対して二尖弁化にて弁輪温存を行ったファロー四徴症の2症例

江並 龍之介1, 河合 駿1, 五十嵐 大二1, 落合 雄人1, 市川 泰広1, 中野 裕介1, 渡辺 重朗1, 合田 真海2, 町田 大輔2 (1.横浜市立大学附属病院 小児循環器科, 2.横浜市立大学附属病院 心臓血管外科)

キーワード:valve sparing, bicuspidization , tetralogy of Fallot

【背景】ファロー四徴症(TOF)の心内修復時では肺動脈弁が一尖弁(UV)の場合、弁輪温存(VS)を選択することは少ない。UVに対して二尖弁化を用いてVSした2症例の中期成績を報告する。【症例1】TOFの男児で月齢7に心内修復術を行っている。肺動脈弁輪径(PVD)は8.8mm(Z=-0.8)で術中所見ではFish mouth様のUVであった。背側にある正常な交連に切開をいれ対側を切開し二尖弁化を行った。1歳時の心臓超音波検査(US)では右室流出路流速は2.4m/sで、肺動脈弁閉鎖不全はtrivialであった。心臓カテーテル検査での引き抜き圧格差は12mmHgにとどまっていた。【症例2】1歳3ヶ月に心内修復術を行ったTOFの男児である。PVDは4.7mm(Z=-3.4)で非常に未熟な弁尖と大きな弁尖で構成された機能的なUVであった。UVを閉鎖し中央に切開を入れることで二尖弁化を行った。1歳5ヶ月時のUSでは右室流出路流速は3.2m/sで、肺動脈弁閉鎖不全はmildであった。【考察/結論】いずれの症例でも十分なPVDを保ち可動性のあるUVであったことから良好な中期成績を得たと考える。PVDと形態が許せばTOF心内修復術時でUVのVSは選択肢になりえる。