The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

心筋心膜疾患

Poster Session(II-P01-6)

Fri. Jul 12, 2024 12:40 PM - 1:40 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:藤原 優子(町田市民病院 小児科)

[II-P01-6-04] A case of apical hypertrophic cardiomyopathy who had no abnormalities until the age of 11 and developed chest pain and palpitations at the age of 14.

倉石 建治, 西原 栄起, 太田 宇哉 (大垣市民病院 第二小児科(小児循環器・新生児科))

Keywords:心筋症, 学校心臓検診, 胸痛、動悸

【背景】心尖部肥大型心筋症は、初めて報告された日本では肥大型心筋症全体の約15%と比較的多いが、米国では3%と少なく、小児期発症は稀である。小児例は1985年に本学会誌で初めて報告されて以来、心電図検診による発見がほとんどである。今回、小学校の学校検診や11歳時の心エコー等で異常なく、14歳からの胸痛と動悸を主訴に15歳で発見された1例を経験した。【症例】男児。家族歴なし。小学校6年の内科健診で心雑音を指摘され当科を受診した。心電図、X線、心エコーと異常なく、機能性雑音の診断だった。中学校では不登校となり、検診を受けていない。14歳、覚醒時に胸部絞扼感と満腹時や入浴時の動悸を自覚し、15歳になり深夜に胸部絞扼感と背部痛があり、近医を受診した。心電図でI,II,III,aVF,V2~V6に陰性T波を認め、当科へ紹介された。身長165.2cm、体重50.5kg、血圧136/83mmHg、脈拍114/分、第三肋間胸骨左縁にレバインII度の収縮期雑音を聴取し、心エコーで左室内腔がスペード型を呈す、心尖部に限局した全周性の心筋肥厚(約14mm)を認めた。マスター負荷心電図では、安静時RV4=3.8mVと高くV4に巨大陰性T波があり、負荷後胸痛を訴えたがST変化はなかった。血中BNPが73.0pg/mlと高く、心筋逸脱酵素の上昇はなかった。ホルター心電図で総心拍数126,373/日と頻脈、期外収縮は心室1、上室2だった。小学校1、4年の検診心電図は異常なかった。【考察】心尖部肥大型心筋症は、成人では予後良好と考えられているが、小児期発症の予後は不明である。このような小児期の自覚症状は稀であり、慎重な観察が望まれる。また、診断前の心電図変化の報告があるが、小学校6年まで心電図異常なく、中学校では心電図を受ける機会がなく、この2~3年の経過はわからない。15歳では典型的な所見を示し、症状がなくとも心電図検診では抽出されると思われる。自然歴解明のためには、引き続き症例の蓄積が必要である。