[II-P02-4-01] A case of late cardiac tamponade due to erosion after percutaneous atrial septal defect closure that could have been saved by emergency surgery
Keywords:ASD, 経皮的心臓中隔欠損閉鎖術, erosion
【緒言】ASDの治療に経皮的閉鎖術があるが、その合併症としてデバイスの接触による機会的損傷を原因とする心穿孔(erosion)がある。通常は留置後早期に発症することが多いのだが、今回は留置5年後に発症し緊急手術で救命し得た症例を経験したので報告する。【症例】81歳、女性。関節リウマチで免疫抑制剤使用、心房細動にてablation施行の既往がある。5年前にASD指摘され他院にて経皮的心臓中隔欠損閉鎖術( Figulla Flex II ASD occlude)を施行。入浴後に急激な胸背部痛を訴え救急搬送された。原因不明の心タンポナーデを認め穿刺すると暗赤色の血性排液を認め、一時的に止血されていたが排液は増加し、ショックバイタルとなり緊急手術に至った。【手術】人工心肺使用心拍動下に心嚢内を確認するとoccluderが右房を穿破し金属片が上行大動脈に接し穿孔していた。そこで心停止下にoccluderを除去し自己心膜でASDをpatch閉鎖し、右房および上行大動脈の穿孔部を修復して手術終了。【経過】術後は不整脈治療、難治性胸水・浮腫等の水分管理に難渋したが、術翌日には人工呼吸器離脱、術後4日目にICU退室、術後23日目に独歩退院となった。本症例はoccluder留置の際にAortic rimが乏しく、また関節リウマチで一時的にステロイドの使用歴があり現在免疫抑制剤を使用していたこと、心房細動のためカテーテル治療で心房操作を施行していたことからerosionの危険性が高かったと予測できる。【結語】経皮的心房中隔欠損閉鎖術後遠隔期にerosionによる心タンポナーデをきたし緊急手術で救命しえた症例を経験した。リスクの高い症例は長期的な経過観察が必要である。