[II-P02-4-08] cardiogenic shock cases by ductus arteriosus closure in our hospital
Keywords:ductal shock, 動脈管依存性, 再開通
【目的】 ductal shock症例の臨床像を明らかにする事を目的とした。【方法】当センターで2000年1月1日から2023年12月31日までの24年間で、動脈管閉鎖によってショックとなった動脈管依存性疾患22症例について、後方視的に臨床経過から、診断・術式・手術のタイミングなどを調べた。【結果】 男児 9例・女児 13例、ductal shockと診断・入院したのは日齢1-15(中央値 3.5日)、体重は2100-4215g(中央値 3008g)、主疾患はCoA 11例(simple CoA 3例・VSD合併 5例・DORV合併 1例・単心室循環合併 2例)・IAA+VSD 5例・HLHS 6例、後に基礎疾患として歌舞伎症候群 2例・鰓弓症候群 1例・不完全型Digeorge症候群 1例・遺伝子異常 1例が診断されていた。いずれの症例でもPGE1製剤にて動脈管の再開通・状態改善を目指していたが、2例はshock状態のまま手術にも到達できず死亡の転帰となっていた。11例で動脈管再開通が得られて状態改善後(入院から手術まで0-9日(中央値 5日))に大動脈弓修復やbil.PABを施行し、内2例が手術合併症で死亡していた。4例で動脈管再開通が得られたものの高肺血流傾向となり、いずれも入院当日にbil.PAB施行し、内1例が術後合併症で死亡していた。残り5例では充分な動脈管再開通が得られず、入院当日に4例・入院2日後に1例で大動脈弓修復やNorwood手術や動脈管ステント留置・両側肺動脈絞扼術などを施行し、内2例が術中死亡していた。術後生存15例でフォローアップ期間は 0.3-18.6年(中央値 12.8年)、いずれの症例も修復終了または次のstageの手術へと進んでおり、2例で遠隔期に大動脈弓の再修復を行っていた。またショックによる神経学的後遺症が明らかな症例は見られなかった。【まとめ】 症例数が少ないため有意差は見られなかったが、動脈管が充分に再開通しなかったり高肺血流が見られるなど緊急性が高い状況ほど死亡症例が多かった。生存できた症例では有意な合併症はなかった。