The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

多領域

Poster Session(II-P02-5)

Fri. Jul 12, 2024 4:15 PM - 5:05 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:宗村 弥生(山梨県立大学看護学部)

[II-P02-5-01] Rehabilitation of children with catecholaminergic polymorphic ventricular tachycardia

天尾 理恵1, 高見澤 幸一2, 犬塚 亮2, 緒方 徹1 (1.東京大学医学部附属病院 リハビリテーション部, 2.東京大学医学部附属病院 小児科)

Keywords:カテコラミン誘発多形性心室頻拍, リハビリテーション, 運動指標

【緒言】カテコラミン誘発多形性心室頻拍(CPVT)は運動・情動によるカテコラミン上昇によりVTが誘発される比較的稀な疾患であり、リハビリテーション(リハビリ)の報告は少ない。今回、CPVTを発症した学童のリハビリテを経験したので報告する。【症例】9歳女児。学校の授業で徒競走練習中に突然転倒、救急隊到着後、AEDの初期波形はVFであり、DCを2回実施し前医へ到着。意識レベルGCS E1V2M4、PVC散発を認め全身管理目的に当院へ搬送。気管挿管時にVTへと移行し胸骨圧迫、DCを2回実施し洞調律に復調。経過よりCPVTが疑われ、ランジオロール投与を開始。入院4日後にリハビリを開始した。【リハビリ経過】HR80bpm台までの運動負荷指示があり、常時HRをモニタリングし離床を進めた。10病日に一般床へ転棟、運動負荷を漸増し緩徐に体力向上を図った。HRは安静時50-60台、離床時70-80台、談笑で一過性に90台への上昇を認めるものの脈不整なく経過した。29病日にトレッドミル運動負荷試験を実施、HR max 96bpm、7METSの運動負荷で不整脈の出現なく終了。その結果を受けHR上限を緩和、運動負荷を上げ、階段昇降、屋外歩行など退院に向けたプログラムを実施した。また、スマートウォッチを導入し歩数や歩行速度、HRを評価して適切な運動速度・量を提示、情動の変化でもHRが変化しやすいことを情報提供し、日常生活における注意点を指導した。退院前に着用型自動除細動器を導入、ADL全自立、1日2000歩程度の歩行能力を獲得し41病日に自宅退院に至った。退院後もスマートウォッチでのHR計測を継続し、不整脈なく経過している。【結語】CPVT患者のリハビリは、薬物・除細動器の導入などの治療と並行し、不整脈出現の状況を把握し、十分にリスク管理することで安全に実施可能であった。家族と共に丁寧に運動指導を行い、簡易デバイスの導入で運動指標を明確に把握できたことで、運動時の安心感を得て退院可能であった。