[II-P02-5-02] 先天性心疾患の看護に関わる看護師向けのオンデマンド学習の評価
キーワード:オンデマンド学習, 小児看護, 先天性心疾患
【背景】先天性心疾患の看護に特化した学習体制はなく、入職や異動で初めて関わる看護師は病態を踏まえた看護の理解に苦慮している。この現状から、看護師向けの学習システムの構築に取り組んでいる。【目的】オンデマンド教材を用いた研修会の、学習効果と方法の適切性を明らかにする。【方法】先天性心疾患の看護に関する全5回16コンテンツの動画とミニテストの教材を作成した。全国の小児が入院している施設や学会会場でのチラシ配布、webサイトで受講者を募集し、対象者には都合のよい時間に16コンテンツのオンデマンド視聴とミニテストの実施を依頼した。手続きや問い合わせは全てweb上で行い、定期的各にリマインドメールで学習を促した。教材の適切性や学習効果は、受講状況および受講前後に行った自己評価アンケートを分析した。所属施設の研究倫理審査委員会の承認を得た。【結果】390名が受講し、うち210名が16コンテンツの学習を修了した(53.8%)。対象者の経験年数は3年以下が最も多く(54.2%)、学習期間の平均は62.5日(SD24.8)であった。受講後の自己評価の得点は、29項目のうち28項目が受講前より有意に高かった。動画再生時間は「ちょうどよい」との回答は92.4%で、2か月を目安とした視聴期間については「ちょうどよかった」が67.6%だった。実践に活かせそうかは、「とてもそう思う」68.6%、「そう思う」が31.4%であった。【考察】受講後の自己評価得点より学習効果はあり、動画の作りや内容は適切だったと評価する。しかし、全コンテンツ修了者は全体の約5割であり、自由な時間で学習できる一方、自主性に任されるオンデマンド配信を期間内に計画的に視聴することは難しかった。また、今回はすべての回を視聴することで修了としたが、必要な部分を学習していたとも考えられるため、学習教材の提供方法の検討が必要と考える。