[II-P02-5-03] Challenges in providing discharge support to families of affected children after congenital heart disease surgery during the COVID-19 pandemic.
Keywords:先天性心疾患, 退院指導, COVID-19
【背景】COVID-19流行の影響により、入院中の子どもへの家族の面会に、時間と人数の制限が設けられた。家族が子どもの先天性心疾患術後の経過を把握出来ないまま、退院指導を受けるため、退院後の生活について具体的なイメージが困難であると考えた。【目的】COVID-19流行による面会制限を受けた先天性心疾患術後の患児を持つ家族に対する退院支援の課題を明らかにする。【方法】2020年2月~2023年3月に先天性心疾患の手術後に退院し、外来通院している0~2歳未満の患児の家族を対象にインタビュー調査を行った。得られたデータから逐語録を作成し、質的帰納的に分析した。【結果】研究参加者は母親が6名、両親が1組であった。コロナ禍の入院中の思いは≪子どもの疾患に対する思い≫≪子どもの入院による気持ちの変化≫≪面会制限における思い≫の3カテゴリーが抽出された。退院指導についての思いは≪退院指導についての理解≫≪パンフレット活用状況≫の2カテゴリーが抽出された。退院後の生活への思いは≪退院後に不安はない≫≪心不全症状について受け入れ困難≫≪感染症への不安≫≪子どもの状態の変化や不安への対処≫≪退院後の経過を想像できないことへの不安≫の5カテゴリーが抽出された。【考察】コロナ禍での面会制限について多くの家族が仕方がないことだと認識しており、限られた時間の中で実施した退院指導についても満足していた。一方で、心不全症状の受け入れが困難であること、子どもの状態についての不安や、退院後の生活がイメージできないことへの不安を抱えていることが明らかとなった。退院指導では、家族の思いに寄り添い、ニーズを把握して、より具体的に家族が子どもの状態をイメージできるような指導や、退院後の生活を想定した指導が必要であると考える。【結論】面会制限がある中でも、退院後の生活背景や家族の思いを考慮した個別性のあるパンフレット作成と退院指導の検討が必要である。