[II-P02-5-04] Introduction of ECMO for acute cardiovascular collapse and collaboration with transplant facilities
Keywords:拡張型心筋症, 心臓移植, ECMO搬送
当院ICUでは集中治療科、成人心臓血管外科、小児外科との連携により小児VA-ECMOの導入が可能である。一方で小児心臓血管外科医が不在、小児心臓移植施設ではなく、central ECMOへの切り替えや補助人工心臓の装着はできない 。【症例】5歳男児。頻脈を主訴に近医を受診し、心拡大と心収縮不良があり当院へ紹介となった。拡張型心筋症の疑いで心不全治療を行うとともに原因精査を行っていた。当初家族は心臓移植に消極的であったため移植登録は行っていなかった。冠動脈評価目的の造影CT撮影の鎮静で血圧低下、急性循環不全となり緊急でVA-ECMOが導入され、家族は心臓移植も含めた積極的治療を希望した。導入6日目にECMOによる左室後負荷増大から肺出血を起こした。離脱を検討したが困難であった場合のバックアップリソースがない。小児重症心不全相談窓口から多施設の支援を得てcentral ECMOへのコンバーション目的に遠方の移植実施施設への陸路ECMO搬送を実施し 、移植施設においてECMOを離脱し、 神経学的後遺症を遺すことなく救命することができた。【考察】重症心不全は移植適応の検査においてもリスクが高く、緊急でECMO装着をせざるを得なかった。ECMO離脱は、困難であった場合の治療オプションを有していないと難しく、多くの場合にECMO搬送が必要となると考える。その点でも小児重症心不全相談窓口の意義は大きかった。小児心臓移植施設でない場合は移植登録の初期段階からの活用を勧めたい。