[II-P02-6-03] Highly sensitive detection using parametric mapping for cardiac fibrosis in juvenile systemic sclerosis.
Keywords:若年性強皮症, 心筋線維化, parametric mapping
【背景】若年性全身性強皮症(jSSc)は100万人に0.27人の稀な疾患で、その病態は自己免疫、炎症、血管障害、線維化が特徴である。死亡原因は心肺疾患が最多であり、その診断が重要である。しかし、心筋障害の早期診断に関するエビデンスは少ない。心臓MRI検査のparametric mappingは非侵襲的に心筋性状を評価でき、jSSc患者に有用な可能性がある。【症例】11歳女児。1年前から手をにぎることが困難になり、寒冷刺激で指趾先端が蒼白からチアノーゼを呈していた。日常生活に支障がなく経過をみていたが改善に乏しく、精査のため入院した。Raynaud現象と左右対称の皮膚硬化所見、指尖部潰瘍を認め、抗Scl-70抗体が850U/mLと高値であり、jSScと診断した。心合併症の精査では、NT-proBNP 44pg/mL、心電図は洞調律で不整脈や脚ブロックは認めず、心臓超音波検査は有意な房室弁逆流なく、LVDd 40mm、LVEF 76%、E/e’ 6.4、LVGLS -24.0%であり、心機能低下は認めなかった。Parametric mappingでは心筋T1値 1362msec(当院正常値1100-1300)、ECV値 33.9msec(正常値 23-28%)、心筋T2値 35.3msec(当院正常値 30-50)、LGE陰性であった。T2値が正常であり急性炎症や浮腫は否定的で、T1値/ECV値の上昇からびまん性の心筋線維化があると判断した。現在、ステロイドと免疫抑制剤で治療中である。若年性強皮症に対するmappingの報告は少ないが、本症例のように初回入院時にすでに心筋線維化が起きている場合もあることがわかった。【結論】jSSc患者では、parametric mappingによる心筋性状の評価は有用であり、早期に炎症か線維化なのかを判断することは、その後の治療戦略にも役立つと考える。