[II-P02-6-07] A case of a 13-year-old boy with eosinophilic myocarditis responded to steroid therapy who had a history of bronchial asthma
Keywords:好酸球性心筋炎, 心筋炎, アレルギー
【緒言】好酸球性心筋炎は心筋への好酸球浸潤を特徴とし、血液中の好酸球増多を伴うことが多い。特発性発症が多いが、薬剤過敏症や、寄生虫感染症等による二次性好酸球増多症等を背景疾患として発症することもある。【症例】13歳男児。気管支喘息とアレルギー性鼻炎の既往があり、吸入ステロイド剤等を処方されていたがコントロールが不十分であった。1週間続く心窩部痛と食欲低下を主訴に近医受診し、心筋逸脱酵素の上昇や心電図異常があり、急性心筋炎の疑いで当科を紹介受診した。来院時心拍数、血圧等は安定していたが、CK: 895 U/L、トロポニンI: 11,442 ng/mL、BNP: 173 pg/mLと上昇していた。心臓超音波検査で左室駆出率43 %と低下、心筋壁肥大、全周性の心嚢液貯留、胸水貯留を認めた。心電図検査では左側胸部誘導でST上昇が見られた。急性心筋炎、心不全と診断し、心不全治療とIVIG 1 g/kg/日の投与を行った。入院5日目まで末梢血好酸球が13-32 %と増加があり、好酸球性心筋炎の可能性を考慮し、精査加療目的で国立成育医療研究センターへ転院した。同院での心臓MRI検査で心室中隔に遅延造影があり、心筋生検で好酸球の浸潤を伴う心筋障害が見られ、好酸球性心筋炎と診断された。ステロイド投与を開始後、治療継続目的で再度当科へ転院した。心機能は徐々に改善しステロイドを漸減し、入院50日目に自宅退院した。外来でステロイドを漸減終了し、合併症なく運動制限も不要となった。検査結果から各種ウイルス、細菌、寄生虫感染や膠原病は否定的で、アレルギー疾患による二次性好酸球増多症の関与が原因として疑われた。【結語】ステロイド治療が奏功した好酸球性心筋炎の一例を経験した。アレルギー疾患の既往や好酸球増多がある心機能低下症例では、好酸球性心筋炎の鑑別を考慮し、生検等を念頭にした早期診断・治療が望ましい。