[II-P03-1-01] Oral medication in congenital QT prolongation syndrome at our hospital
Keywords:QT延長症候群, QTc, β遮断薬
【はじめに】先天性QT延長症候群(LQTS)の患者において、失神やVT/VFを認めた症例、無症状でもQTc(B)≧0.47秒の症例ではβ遮断薬の内服が推奨されている。本研究では当院におけるLQTS患者における内服薬使用状況を調べた。【方法】2010年1月から2023年3月までに当院を受診し心電図が記録されているLQTS患者を対象とした。診断基準は遺伝性不整脈治療ガイドラインに従った。診療録から情報を抽出し後方視的に検討した。【結果】84人のLQTS患者が抽出された(初診時平均年齢11.7歳、男43人)。内訳はLQT1 30人、LQT2 14人、LQT3 3人、診断未33人、その他4人であった。48人 (57%)の患者が内服しており、β遮断薬は45人、メキシレチンは8人、フレカイニドは2人、カリウム製剤は2人が内服していた。初診時の安静時QTc(B) (0.482±0.046秒 vs 0.483±0.037秒, p=0.92)と運動負荷後3-4分のQTc(B) (0.518±0.046秒 vs 0.515±0.039秒, p=0.82)は、内服あり群と内服なし群で有意な差を認めなかった。家族歴のある患者は内服あり群で33人 (68%)、内服なし群で20人 (55%)いた(p=0.26)。遺伝子診断されている患者は内服あり群で35人 (72%)、内服なし群で16人 (44%)おり(p=0.012)、有意に内服ありで多かった。症状に着目すると失神の既往のある患者は内服あり群で27人 (56%)、内服なし群で4人 (11%)認め (p<0.001)、何らかの不整脈を認めた患者は内服あり群で11人 (22%)、内服なし群で1人 (3%)認め(p=0.011)、いずれも有意に内服ありで多かった。【まとめ】初診時の心電図よりも症状や遺伝子診断が内服に影響を与えている可能性がある。