[II-P03-1-02] 不整脈診断におけるheart noteの有用性
キーワード:携帯型心電計, ホルター心電図, heart note
【背景】不整脈診療では24時間Holter心電図は重要な検査として位置している。一方で忍容性から長時間使用は難しく、近年小型化された長時間心電図が開発されている。Heart note(HN)はその一つで、小さく簡易な手順で行えるため小児・先天性心疾患領域で有用かもしれない。【目的】HNの有用性を評価する。【方法】2022年10月から2024年1月までに連続してHNを装着した小児患者及び先天性心疾患患者を対象とする。患者背景、心疾患、記録時間、有効記録率を算定する。動悸・失神など有症状に対する診断目的の場合の診断率を24時間以内、24時間以後に分けHNの有用性を評価する。【結果】症例は20例、男性14例(70%)、年齢中央値12歳(1歳6か月-47歳)、身長中央値140.3cm (80.3-173.5)、体重中央値35.9kg(10.1-61.8)、正常心10名(50%)、単心室3名(15%)、記録時間中央値7442分(1392-10175)であった。動悸・失神の有症状診断目的の使用は13例で、有症状時の記録ができたものは5例(38%)であった。うち2例が装着24時間後に記録された。有効記録率は90%で意図しない電源オフと児による自己抜去が原因であった。【考察】HNは最大7日間の測定が可能で、測定後は患者が郵送にて返却するため負担が少ない。小さな体格や単心室症例でも読影可能な波形の測定が可能であった。また動悸診断では24時間以後に有症状を認め診断に至った症例が多かった。以上のことからHNはHolter心電図の代替になりえる。一方で測定できる波形が一つであること、心拍変動解析が不可能なことがlimitationになる。【結論】HNは小児・先天性心疾患領域の不整脈診療で有用である。