The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

集中治療・周術期管理

Poster Session(II-P03-1)

Fri. Jul 12, 2024 5:20 PM - 6:20 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:立野 滋(千葉市立海浜病院 小児科)

[II-P03-1-06] A Case of LQT syndrome with repeated torsade de Pointes due to Hyperventilation

檜波田 真実1, 古井 貞浩1, 五味 遥1, 森田 裕介1, 岡 健介1, 松原 大輔1, 佐藤 智幸1, 関 満1, 中村 博大2, 田所 まり子3, 田島 敏広1 (1.自治医科大学とちぎ子ども医療センター 小児科, 2.自治医科大学とちぎ子ども医療センター 子どもの心の診療科, 3.自治医科大学附属病院こころのケアセンター)

Keywords:QT延長症候群, Torsade de pointes, 過換気発作

【背景】QT延長症候群(LQTS)はTorsade de pointes(TdP)により失神や突然死を引き起こし、低カリウム(K)血症はそのリスク因子となる。今回、過換気発作による低K血症のために、TdPを繰り返したLQTSの1例を経験した。【症例】15歳女子。過換気発作の既往なし。小学4年時の心臓健診でQT延長を指摘され当院を受診した。LQTS・突然死の家族歴、失神の既往はないが心電図でQTc(F)=0.491、V4-V6誘導にノッチ型T波を認め、先天性LQTSスコア4点を満たした。遺伝子検査ではKCNH2遺伝子にフレームシフト変異を認め、LQTS2型と診断した。β遮断薬内服により失神やTdPなく経過していた。入院当日、過換気のため近医に救急搬送された際、心電図でTdPを認め、その後持続性の心室頻拍へ移行したため除細動が施行され、当院へ搬送された。当院到着後も過換気とTdPを繰り返し、血液検査で呼吸性アルカローシスと低K血症(3.1mEq/L)を認めた。入院後、硫酸マグネシウム投与とK補正、持続鎮静を行いTdPの発症は抑制された。しかし、鎮静薬の減量に伴い、不整脈への不安から過換気発作とTdPを繰り返した。そのため、抗不安薬を開始し、さらに、小児精神科医と心理士の介入も行った。抗不安薬はQT時間への影響が少ないジアゼパムとアリピプラゾールを選択した。抗不安薬の投与と心理的ケアの介入後は、過換気発作は軽減し、TdPの再燃なく経過した。入院20日目に皮下植込み型除細動器の植え込み術を行い、入院29日目に退院した。【考察】過換気発作は低K血症を惹起し、LQTSにおいてはTdPのリスクとなりうる。過換気発作は種々の不安から引き起こされることが多いが、発作予防のための抗不安薬を導入する際には、QT時間への影響を考慮する必要がある。また、小児精神科医や心理士の介入も重要である。