[II-P03-1-08] 大動脈左冠尖の通電で成功した流出路起源心室期外収縮における通電指標と臨床的特徴に関する検討
キーワード:心室期外収縮, カテーテルアブレーション, 大動脈冠尖
【背景】大動脈左冠尖(LCC)の心室期外収縮(PVC)アブレーションではprepotentialを指標に通電することが推奨されている一方でprepotentialを認めない症例では最早期電位を指標に通電を行っている。しかし、prepotentialの有無と臨床的特徴に関する報告は少ない。【目的】流出路起源PVCのアブレーションにおけるLCC内のprepotentialの有無と臨床的特徴の関連を明らかにすること。【対象と方法】診療録を後方視的に検討した。対象は2007年4月から2023年12月にLCCでの通電で成功した11症例13回のPVCアブレーション治療とした。prepotential群8回と早期性群5回で術前心電図所見、通電結果、再発率を比較した。【結果】術前心電図の比較では、PVCのQRS幅は通電指標との関連は認めなかったが移行帯はprepotential群の8例中6例がV3-V5であるのに対し、早期性群では全例がV1-V3であった。Maximum deflection index (MDI) とPeak deflection index (PDI)はいずれもprepotential群が大きい傾向にあった。LCCでの通電回数はprepotential群で7例が1回の通電で成功し、1例のみ2回の通電を要した一方で、早期性群では2例のみが1回の通電で成功し、他3例はそれぞれ2回、3回、4回の通電を要していた。再発率ではprepotential群では再発なしに対して、早期性群では5例中2例が再発し2回目のアブレーション治療を受けた。うち1例ではprepotentialを認めたためprepotentialを指標に通電して成功した。【結語】prepotential群では早期性群に比べて移行帯がV3以降に多く、MDIとPDIが大きい傾向にあったことからprepotentialの有無は起源に由来することが示唆された。また早期性群に比べてprepotential群では少ない通電回数で治療に成功し、再発は認めなかった。