[II-P03-1-10] 小児QT延長症候群の児における頻脈時のQT時間の年齢変化
キーワード:QT延長症候群, 遺伝子型, 年齢
【背景、目的】QT延長症候群(LQTS)の原因遺伝子検索が広く行われるようになり、その大半を占めるLQTS1-3の遺伝子診断症例が多くなっている。その中で、致死性不整脈を引き起こすリスクとして頻脈時のQT時間短縮の所見が知られているが、年齢に伴い頻脈時のQT時間がどのように変化するかはあまり知られていない。今回、同一児のQT時間について診断時から、性別、心イベントの関連を後方視的に調べた。【方法】1996年4月から2024月2月までの間に、遺伝子検査にてQT延長症候群1型、2型、3型と診断された56症例(1型34例、2型14例、3型8例、男児28例、女児23例、)について、トレッドミル検査、ホルター心電図を参考に安静時と頻脈時のQT時間の年齢における推移を調査した。なお、基礎疾患症例や複合変異症例は除外した。【結果、考察】LQT1型について、男児はおおよそ12歳を境にその後の安静時のQTc時間が短縮することは知られているが、頻脈時のQTc時間も短縮する傾向を認めた。一方、女児の関しては安静時も頻脈時もやはり一定の見解は得られず、頻脈時のQTc時間が延長するものもあり、注意が必要である。LQT2型、3型については今後、症例を検討中である。