第60回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

ポスター発表

集中治療・周術期管理

ポスター発表(II-P03-1)
電気生理学・不整脈3

2024年7月12日(金) 17:20 〜 18:20 ポスター会場 (2F 多目的ホール)

座長:立野 滋(千葉市立海浜病院 小児科)

[II-P03-1-10] 小児QT延長症候群の児における頻脈時のQT時間の年齢変化

馬場 俊輔1, 野竹 慎之介1, 中村 祐輔1, 古河 賢太郎1, 伊藤 怜司1, 安藤 達也1, 星野 健司2 (1.東京慈恵会医科大学附属病院小児科学講座, 2.埼玉県立小児医療センター循環器科)

キーワード:QT延長症候群, 遺伝子型, 年齢

【背景、目的】QT延長症候群(LQTS)の原因遺伝子検索が広く行われるようになり、その大半を占めるLQTS1-3の遺伝子診断症例が多くなっている。その中で、致死性不整脈を引き起こすリスクとして頻脈時のQT時間短縮の所見が知られているが、年齢に伴い頻脈時のQT時間がどのように変化するかはあまり知られていない。今回、同一児のQT時間について診断時から、性別、心イベントの関連を後方視的に調べた。【方法】1996年4月から2024月2月までの間に、遺伝子検査にてQT延長症候群1型、2型、3型と診断された56症例(1型34例、2型14例、3型8例、男児28例、女児23例、)について、トレッドミル検査、ホルター心電図を参考に安静時と頻脈時のQT時間の年齢における推移を調査した。なお、基礎疾患症例や複合変異症例は除外した。【結果、考察】LQT1型について、男児はおおよそ12歳を境にその後の安静時のQTc時間が短縮することは知られているが、頻脈時のQTc時間も短縮する傾向を認めた。一方、女児の関しては安静時も頻脈時もやはり一定の見解は得られず、頻脈時のQTc時間が延長するものもあり、注意が必要である。LQT2型、3型については今後、症例を検討中である。