[II-P03-2-06] Prediction of Necrotizing Enterocolitis After Palliative Surgery
Keywords:壊死性腸炎, palliative surgery, 周術期
【背景】先天性心疾患は新生児壊死性腸炎(NEC)のリスク因子の一つとされる。特定の心疾患(左心体形成など)や、早産・低出生体重はNECリスクを高めると考えられているが、病態の多様性のため、リスクの層別化は困難である。【目的】新生児期のPalliative Surgery後のNECリスクを検討する。【方法】対象は2023年1月から2024年1月にPalliative Surgeryを行った1歳未満症例。血便によりNECと診断された群(N群)とNECなし群(O群)に分け、リスク因子:在胎週数、出生時体重、手術時日齢、CHD疾患名、単心室/二心室、術式(Norwood procedure/AP shunt/PA banding)、術後24時間での中心静脈血酸素飽和度(SvO2)、超音波ドップラーでの下行大動脈逆行性と順行性の時間速度分析(velocity time integral:VTI)の比(R/F比)を検討した。【結果】慢性期循環不全により死亡に至った3例を除き、N群18例、O群16例であった。NEC grade(Bell分類)はI:3例 II:14例 III:1例(Sepsis)。N群2例で肺血流制御のために再手術を行った。在胎週数:38.4±0.3 vs 38.6±0.4(p=0.82)、出生時体重:2680±131 vs 2661±139(p=0.92)、手術時日齢:49±14 vs 46±15(p=0.89)に差は認めなかった(N群vs O群)。単心室は16/18例(89%) vs 7/16例(44%)で、N群で優位に多かった(p<0.01)。術式はN群:Norwood 10例(BT 5例、RVPA 5例)、AP shunt 6例、PA banding 2例、O群:PA banding 7例、AP shunt 5例、Norwood 4例(RVPA 4例)だった(p=0.069)。HLHSはN群7/18例(38%)、O群4/16例(25%)で有意差は認めなかった(p=0.39)。SvO2は39±3 vs 49±4とN群で優位に低かった。R/F比は単心室AP shunt 7例で、0.65±0.06 vs 0.43±0.09とN群で優位に高かった(p=0.027)。【結語】新生児期のPalliative Surgery後のNECリスク管理が求められる。術後の心機能保持や肺体血流比の適切なコントロールはNECリスクを軽減するために重要である。