[II-P03-3-01] 川崎病治療におけるプレドニゾロン投与期間の短縮
キーワード:川崎病, プレドニゾロン, ステロイド
【背景】川崎病治療においてRAISE study以降にステロイドを併用する治療も一般的になり、重症例の治療において重要な選択肢となっている。一方で、プレドニゾロン(PSL)投与を併用した場合にRAISE studyのプロトコルに則って減量した場合には入院期間が長期化する傾向がある。【目的】当院ではPSL投与症例において、解熱48時間以上、D-dimer<2.0、T-Bilの診断時からの低下、CRPの24時間での半減、心臓超音波検査で冠動脈の輝度上昇の消失、脳症や冠動脈病変などの合併を認めない、の条件を満たした場合にPSLを最短3日間で漸減する方針としている。この治療方針における合併症発生、PSL投与期間などを後方視的に検討する。【対象と方法】2021年10月から2023年12月に入院した川崎病患者は109例うちPSL投与症例38例を対象とした。PSL投与の基準は小林スコア5点以上または、5点以下でも心臓超音波所見で冠動脈の輝度上昇と壁肥厚を認めた症例とした。PSL投与後は上記の基準を満たした場合に減量とした。【結果】全症例の年齢は1.8±2.5歳、PSL投与群は3.0±2.9歳であった。PSL投与群の小林スコアは3.5±2.4で、診断日は4.8±1.7日であった。1st lineからPSL投与を行った症例は20例、2nd lineからPSL投与を行った症例が18例、3rd line以降にPSL投与を行った症例はいなかった。PLS2mg投与期間は5±1.9日、PSL静注期間は8±2.9日であった。PSL投与後の再燃は38例中3例で、1例でシクロスポリンA、2例でインフリキシマブの投与を行ったが、3例ともPSL2mg/kgを投与期間中での再燃であった。冠動脈病変の合併は1例(Z4.6、4mm)で合併率はPSL投与群の2.6%、全症例の0.9%であった。【考察】今回行ったPSL投与後の減量方法では、PSL投与期間を短縮することができた。また冠動脈病変の合併率は0.9%であり、RAISE studyより増加することはなかった。PSLの減量について、5日間ごとの減量方法よりも短縮できる可能性が示唆された。