[II-P03-3-03] The usefulness of bronchoscopy in determining treatment policy for vascular ring.
Keywords:血管輪, 気管支鏡, 二次性気管軟化症
【背景】血管輪は胎児期や生下時の超音波検査で診断されない場合は、二次性の気管・気管支軟化症による吸気性喘鳴や食道狭窄に伴う嚥下困難などの症状が顕在化した際に診断されることが多い。生涯無症状で経過する症例もある一方で、重症例では経過中に致命的な呼吸不全を来すこともある。無症候性の血管輪に対しては、治療介入の時期の判断が難しく、当院では全例に気管支鏡を施行する方針としている。同検査による評価が至適治療時期の一助になる可能性があり、当院管理中の血管輪6例について後方視的に検討した。【対象・方法】対象は2015年から2024年に当院で管理した血管輪の6例。診断はRAA+ Lt. PDA(LP), あるいはRAA+ALSCA+ Lt. PDA(ALP)。胎児期に血管輪を指摘された2例は出生直後からNICUで管理したが、無症候で経過した。症例1(診断はALP)はCTで気道狭窄は認めなかったが、気管支鏡で拍動性の病変を認めた。症例2(診断はLP)はCTで軽度の気管分岐部狭窄を認め、2度の気管支鏡でも軽度の気管圧排所見があったが、吸気呼気による気管閉塞を認めず経過観察とした。生後に血管輪と診断したのは4例で、症例3、4はLP(+VSD)で、症例3は気道狭窄症状があり、CTで気管狭窄、気管支鏡で気管軟化を認め、血管輪切除術を行った。症例4は無症候で経過観察中である。症例5は4番染色体短腕の中間部重複の児で、LP (+VSD+vPS)で無症候で経過観察中である。症例6は22q11.2欠失症候群の児で、ALP(+VSD)で,中咽頭腫瘤のため気管切開管理され、CTで血管輪+Kommerell憩室による気道・食道の圧排像を認め、気管支鏡で気管軟化症を認めたため、血管輪解除術を行った。すべての症例で気管支鏡による合併症を認めなかった。【結語】血管輪の管理において、CTに加え気管支鏡を行うことは、安全で至適外科的介入時期の判断や二次性気管軟化症の予防の一助となった。気管支鏡は血管輪の管理を行う上で有用な可能性がある。