[II-P03-3-05] 4th lineまで導入し管理に難渋したが、冠動脈病変の形成を回避できたくすぶり型川崎病の2歳女児例
キーワード:川崎病, 冠動脈病変, サイトカインプロファイル
【緒言】川崎病は大量免疫グロブリン療法(IVIG)とアスピリン(ASA)による治療が1st lineとして推奨されており、2nd line以降の治療選択肢も増えている。一方、微熱や血液検査で炎症反応が持続するくすぶり例が存在し、治療方針に難渋することがある。
【症例】症例は既往のない2歳女児。発熱に加え、頚部リンパ節腫脹、結膜充血、口唇発赤が出現しday8に当院紹介受診となった。4/6症状だが、心臓超音波検査で冠動脈壁輝度亢進、seg1小冠動脈瘤(2.73mm,z=+3.2)を認め不全型川崎病と診断し1st lineとしてIVIG+ASA中等量で加療開始した。1st lineでは解熱得られず day11に2nd lineとしてIVIG再投与+メチルプレドニゾロンパルス(IVMP)+ウリナスタチン(UTI)を開始、反応性に解熱を認め、day14よりIVMPの後療法をプレドニゾロン(PSL) 1mg/kg/dayで開始した。しかし、day15に再発熱を認め、3rd lineとしてインフリキシマブ 5mg/kgを投与した。day16に解熱、他の川崎病症状も再燃なく経過し、UTIは漸減終了、PSLも0.5mg/kgまで減量したが、CRPは0.5-1程度で推移していた。day35に発熱はないがCRP 1.21と再上昇を認め、4th lineとしてシクロスポリンA(CsA)を5mg/kg/dayで開始した。その後CRPはday67に陰性化し、再上昇なく経過、day71にASAは抗血小板量に減量しCsAはday74に終了とした。day80に心臓カテーテル検査で冠動脈病変の退縮を確認しday83に退院とした。退院後、PSLはday87に漸減終了、ASAは抗血小板量で継続しday138に終了した。現在、外来で定期フォローしているが、冠動脈病変の形成はなく経過している。サイトカインプロファイルではIL-6が優位に上昇、またCRPの上昇と一致して高値で遷延しており、くすぶり型川崎病に矛盾しない結果だった。
【結語】くすぶり型川崎病に対し熱型や身体所見に加え、血液検査や心臓超音波検査を慎重にフォローし、適切に治療を追加したことで残存する冠動脈病変の形成を回避できた。
【症例】症例は既往のない2歳女児。発熱に加え、頚部リンパ節腫脹、結膜充血、口唇発赤が出現しday8に当院紹介受診となった。4/6症状だが、心臓超音波検査で冠動脈壁輝度亢進、seg1小冠動脈瘤(2.73mm,z=+3.2)を認め不全型川崎病と診断し1st lineとしてIVIG+ASA中等量で加療開始した。1st lineでは解熱得られず day11に2nd lineとしてIVIG再投与+メチルプレドニゾロンパルス(IVMP)+ウリナスタチン(UTI)を開始、反応性に解熱を認め、day14よりIVMPの後療法をプレドニゾロン(PSL) 1mg/kg/dayで開始した。しかし、day15に再発熱を認め、3rd lineとしてインフリキシマブ 5mg/kgを投与した。day16に解熱、他の川崎病症状も再燃なく経過し、UTIは漸減終了、PSLも0.5mg/kgまで減量したが、CRPは0.5-1程度で推移していた。day35に発熱はないがCRP 1.21と再上昇を認め、4th lineとしてシクロスポリンA(CsA)を5mg/kg/dayで開始した。その後CRPはday67に陰性化し、再上昇なく経過、day71にASAは抗血小板量に減量しCsAはday74に終了とした。day80に心臓カテーテル検査で冠動脈病変の退縮を確認しday83に退院とした。退院後、PSLはday87に漸減終了、ASAは抗血小板量で継続しday138に終了した。現在、外来で定期フォローしているが、冠動脈病変の形成はなく経過している。サイトカインプロファイルではIL-6が優位に上昇、またCRPの上昇と一致して高値で遷延しており、くすぶり型川崎病に矛盾しない結果だった。
【結語】くすぶり型川崎病に対し熱型や身体所見に加え、血液検査や心臓超音波検査を慎重にフォローし、適切に治療を追加したことで残存する冠動脈病変の形成を回避できた。