[II-P03-3-06] 難治性川崎病に合併する冠動脈病変を予測するスコア
キーワード:川崎病, 難治例, 冠動脈病変
【背景】難治性川崎病は高率に冠動脈病変を合併する。これを防ぐためには、可能な限り早期にリスクを見極めて積極的な治療方針を立てることが重要である。【目的】冠動脈病変を合併する難治性川崎病を初期治療前に予測するスコアを作成すること。【方法】対象は、当院に入院した川崎病症例365例。3rd line以上を必要とする症例を難治例と定義し、多変量解析にて難治性冠動脈病変(CAL)に寄与するリスク因子を選定、ROC解析にてカットオフ値を求めて検証した。【結果】初期治療前の好中球数と総ビリルビン (T-bil) 値が独立危険因子として検出された。 好中球≧20,000とT-bil≧2.4の両者を満たす症例を高リスク群(n=9)、それ以外の症例を低リスク群(n=356)とすると、高リスク群では治療抵抗性によりZスコアが2.5を超える冠動脈拡張(一過性を含む)を来したのが9人中6人であったのに対し、低リスク群では356人中1人であった(p<0.01)。感度85.7%、特異度99.2%、陽性的中率66.7%、陰性的中率99.8%で難治性CAL形成を予測できた。【考察】好中球数とT-bil値を用いて、難治性川崎病に合併するCALを初期治療前に高い感度と特異度で予測するスコアを作成し、先手の治療に繋げることは可能であることが示唆された。