[II-P03-3-08] Clinical characteristics of Kawasaki disease patients with coronary aneurysms after acute treatment including steroids
Keywords:ステロイド, 川崎病性冠動脈瘤, 治療抵抗・再燃例
【背景】近年では、重症川崎病に対して大量免疫グロブリン療法とステロイド(PSL)の併用療法が広く行われているが、PSL併用下での冠動脈病変(CAL)合併例についての検討は不十分である。【目的】急性期にPSLを使用したCAL合併川崎病患者の臨床像を明らかにし、冠動脈瘤発症の予防について検討すること。【方法】2013年1月から2023年12月までに当院で冠動脈造影による川崎病後遺症評価を行ったCAL合併川崎病患者のうち、発症が2013年1月以降かつ急性期治療としてPSLを使用された症例を対象とし、診療録を用いて後方視的に検討した。【結果】対象症例は14例で、診断時年齢3歳4か月(中央値)、男児11例、群馬スコア(GS)は6~9点(中央値8点)で、12例が7点以上だった。急性期治療を10病日以前に終了し、その後に再燃を認めなかったにも関わらずCALを認めた症例(A群)は7例だった。A群の最終発熱日は全例10病日内(中央値5病日)で、CAL出現は10病日(中央値)、最大冠動脈径はZ スコア6.6(中央値)だった。10病日以降に炎症の遷延あるいは再燃を認めた7例のうち、治療漸減前に追加治療を要した症例(B群)は3例、治療漸減中に再燃を認めた症例(C群)は4例だった。B群では10病日以降の微熱の遷延に対して追加治療が行われており、CAL出現は13病日(中央値)、最大冠動脈径はZスコア11.7(中央値)だった。C群の再燃日は24病日(中央値)、CAL出現は18.5病日(中央値)、最大冠動脈径はZスコア7.5(中央値)だった。C群の再燃時徴候は微熱(4例)と軽微なKD症状(皮疹1例、手掌紅斑1例)だった。各群における年齢、GSなどに明らかな差は見られなかった。【結論】GS7点以上の症例ではより強力な初回治療の併用が必要な可能性が示唆された。また、PSL投与下では、軽微な症状の遷延や再燃徴候に対しても積極的に追加治療を検討することが重要と考えられた。