[II-P03-4-01] Outcome of Asplenia Syndrome with Total anomalous Pulmonary Venous Connection -Clinical Presentation of Cardiac and Extracardiac Type-
Keywords:単心室症, 総肺静脈還流異常, 無脾症候群
【緒言】単心室疾患の中でも無脾症候群は TCPC到達率・生存率が低く,総肺静脈還流異常(以下 TAPVC)の合併は予後不良のリスク因子とされている.【目的】当院におけるTAPVC合併無脾症候群の治療成績を検討する.【方法】2004年10月から 2023年 12月に手術を施行した無脾症候群 36例中,TAPVC合併25例を後方視的に調査した.【結果】TAPVCの内訳は心臓型 11例(IIa 1例、IIb 10例),心外型 14例(Ia 1例、Ib 5例、III 3例IV 4例)であった.心臓型は肺静脈狭窄(以下 PVO)がなければ放置した.手術した 4例中,3例は TCPC術後にPVOを生じて(post-TCPC PVO)手術となった.体静脈還流や心外導管のルートなどに post-TCPC PVO発症のリスク因子を見出すことはできなかった.心外型は PVOがあればグレン手術までに,PVOがなければグレン手術時に修復する方針で,12例に手術を施行した(初回姑息術時 5例,グレン前 3例,グレン時 3例,TCPC時 1例). Sutureless techniqueは 1例のみであった.うち 4例に PVO再手術を要した.PVOに対するカテーテルインターベンションは心外型の 5例に計 17件(ステント留置 4件)行われており,タイミングは TAPVC術前 3例 8件(ステント留置 3件), TAPVC術後 3例 9件(ステント留置 1件)であった.術後 PVO再介入(手術 + カテーテル)発生率は42.9%であり,リスク因子の可能性があったのは肺動脈閉鎖,初回姑息術時のTAPVC repair,体肺動脈短絡術の併施であった.5年生存率は心臓型 77.8% vs 心外型 71.4% (p = 0.652) と同等であった.3年TCPC到達率は心臓型 66.7%% vs 心外型 39.7% (p = 0.169) と,心外型で低い傾向が見られた.さらに心外型 TAPVC手術例では,術後 PVO再介入群で生存率 60.0%,TCPC到達率 20.0%と、より予後が悪かった.【結語】心臓型では post-TCPC PVOの発症に注意を要する.心外型の予後を改善するためには術後PVOの発症を回避することが重要である.