The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Poster Session

多領域

Poster Session(II-P03-5)

Fri. Jul 12, 2024 5:20 PM - 6:05 PM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:仁尾 かおり(大阪公立大学大学院看護学研究科)

[II-P03-5-04] Preparing for transport of a pediatric patient with EXCOR for heart transplantation

小林 佳代子1, 飯田 涼子1, 安藤 智子1, 森 百合香1, 岡田 典隆2, 大島 康徳3, 田中 優3, 安田 和志3 (1.あいち小児保健医療総合センター 21病棟, 2.あいち小児保健医療総合センター 心臓血管外科, 3.あいち小児保健医療総合センター 循環器科)

Keywords:搬送シミュレーション, 情報共有, 人材育成

【はじめに】移植施設ではない病院は、移植手術時に移植施設への転院搬送移が必須であり、日々転院搬送に向けて準備をしておく必要がある。当院での、EXCOR装着患者の転院搬送に向けた取り組みを報告する。【方法】移植決定後は、転院・手術のための検査や処置、書類や物品の準備など、マルチタスクで転院搬送の準備を行う必要がある。準備には、複数の医療者が介入する。その中でも、安全に不備なく準備を整えることができるよう、「患者」「家族」「医療者」の視点から実施項目を整理し、順序立てたチェックリストを作成した。搬送方法は、関係する部署からコアメンバーを選抜し、院内搬送方法と救急車の乗降方法を検討した。院内搬送は、患児の準備、必要物品、ストレッチャーの種類、搬送経路、必要な人員と役割、所要時間、ブリーフィングの内容、トラブル発生時の対応を検討した。救急車の乗降方法では、昇降リフトの大きさや耐荷重、ドライビングチューブの長さを考慮し、ストレッチャーとIKUSの操作と各メンバーの役割を検討した。検討事項をもとに搬送手順書を作成し、搬送メンバーの多職種を交えて、院内搬送シミュレーションを年2回以上実施している。【結果】実際に転院搬送を経験し、患児を移植施設へ無事に搬送することができた。しかし、マルチタスクを遂行するため、医療者間で情報が錯綜し混乱が生じた。また、転院搬送と並行した通常の診療・看護業務で、臨機応変な人員配置と業務調整が必要となり、平時と異なる病棟の状況にマンパワー不足が明らかとなった。【まとめ】複数の医療者が同時に介入する転院搬送では、準備の進捗状況を「見える化」すると共に、情報を全体で共有できる仕組み作りが必要である。また、平時と異なる状況にも、臨機応変に対応できる人材育成が必要となることがわかった。シミュレーション教育を強化し、日常的に有事に備えた環境整備と人材育成に取り組んでいく。