[II-PSY3-1] 先天性心疾患に合併する先天性気管狭窄症の治療戦略
Keywords:先天性気管狭窄症, 先天性心疾患, 気管形成
先天性気管狭窄症(CTS: Congenital Tracheal Stenosis)は、その多くが先天性心疾患を合併し、呼吸と循環の両立を目指す高度な治療戦略が求められる。頻度が最も高い左肺動脈スリング(LPAS: left pulmonary artery sling)と高リスクとされる複雑心疾患に合併するCTSに対する当院の治療戦略を報告する。
・LPASに合併するCTS
当院ではLPAS症例に対して硬性気管支鏡を基本とした気管支鏡検査を必ず施行している。LPASにCTSを合併する頻度は50-65%と報告されているが、当院の調査ではすべての症例でCTSの合併を認めた。CTS合併の有無を評価しておくことは、LPAS治療介入時の呼吸トラブルを回避するために重要である。LPASに合併するCTSに対する治療戦略としては、スリング解除のみを行うかスリング解除と気管形成の両方を行うかがあり、確立した選択基準は存在しない。当院では臨床症状に加えてコンピュータを用いた流体力学解析を気管形成の適応判断の参考として治療方針を決定している。流体力学解析では狭窄率が50%を超えると気管性能が急激に低下することが明らかとなった。
・複雑心疾患に合併するCTS
それぞれの疾患の重症度によって、同時手術か段階的手術かを選択する。かつては同時手術時の人工心肺時間が300分を超える症例では段階的手術の方針としてきた。しかし、近年は同時手術を余儀なくされる症例が増加している。この場合心臓手術に続いての気管形成中に、出血傾向が助長され、末梢気道内への血液の流入から人工心肺離脱困難となることが危惧される。近年は気管形成時に人工心肺からECMOへの移行を行っている。これにより気管形成中の出血傾向を回避し、長時間の体外循環からの離脱救命が可能となった。
・LPASに合併するCTS
当院ではLPAS症例に対して硬性気管支鏡を基本とした気管支鏡検査を必ず施行している。LPASにCTSを合併する頻度は50-65%と報告されているが、当院の調査ではすべての症例でCTSの合併を認めた。CTS合併の有無を評価しておくことは、LPAS治療介入時の呼吸トラブルを回避するために重要である。LPASに合併するCTSに対する治療戦略としては、スリング解除のみを行うかスリング解除と気管形成の両方を行うかがあり、確立した選択基準は存在しない。当院では臨床症状に加えてコンピュータを用いた流体力学解析を気管形成の適応判断の参考として治療方針を決定している。流体力学解析では狭窄率が50%を超えると気管性能が急激に低下することが明らかとなった。
・複雑心疾患に合併するCTS
それぞれの疾患の重症度によって、同時手術か段階的手術かを選択する。かつては同時手術時の人工心肺時間が300分を超える症例では段階的手術の方針としてきた。しかし、近年は同時手術を余儀なくされる症例が増加している。この場合心臓手術に続いての気管形成中に、出血傾向が助長され、末梢気道内への血液の流入から人工心肺離脱困難となることが危惧される。近年は気管形成時に人工心肺からECMOへの移行を行っている。これにより気管形成中の出血傾向を回避し、長時間の体外循環からの離脱救命が可能となった。