[II-PSY3-7] 通常とは異なる治療戦略を要した先天性気管狭窄症(CTS)を合併した先天性心疾患の症例
キーワード:先天性心疾患, 先天性気管狭窄症, カテーテル
先天性気管狭窄症(CTS: Congenital Tracheal Stenosis)を合併した先天性心疾患では通常とは異なる治療戦略を要する症例を経験することが多い。当院で循環器内科が関与した中で治療に難渋した4症例を報告する。
【症例1】TOF、PA sling、CTSに対して2歳時に心内修復術、PA sling repair、スライド気管形成術後の男児。術後lt.PSに対して2度バルーン血管形成術(BAP)を行ったが全体的に低形成であったことに起因して瘤形成を認めたためこれ以上のBAPが困難となりstent留置を要した。
【症例2】PA、VSD、PA sling、CTS、右気管気管支の1ヶ月女児。月齢2にPA sling repair、RV-PA shunt(2弁付8mm導管)、スライド気管形成を施行され、術後lt.PSに対してBAPを繰り返したが狭窄部末梢も低形成のため効果不十分でstent留置を要した。
【症例3】sinple CoA、PDA、CTS、右肺無形成の女児。新生児、低体重(2.5kg)に加え片肺でもあり気管形成・開心術を行うには条件が悪く、CoAに対するBAPも抜管困難リスク等を懸念してまずは内科管理で可能な限り体重増加を目指す方針とした。CPAP管理、lipo-PGE1調整、心不全治療、栄養強化を並行して体重3.2kg弱まで成長を促せて同時手術に向かうことができた。
【症例4】TOF、PA、rt.mBTS術後、CTS、右気管気管支の5ヶ月男児。気管前面に位置し露出した人工物であるBTSは感染リスクのため切除、代わりにpalliative RVOTR (自己心膜で被覆した1弁付8mm道管)とし、同時にスライド気管形成を施行した。術後早期に右室流出路狭窄を呈し感染リスク回避、低侵襲な方法としてRVOT stent留置を施行した。
症例1、2、4では通常では使用しないsmall size stentの留置を、症例3ではlipo-PGE1長期投与という当院における通常とは異なる治療戦略をとらざるを得なかった。CTSを合併した先天性心疾患症例は多科と連携しながら個々の症例に対して最適な治療を目指していくことが重要である。
【症例1】TOF、PA sling、CTSに対して2歳時に心内修復術、PA sling repair、スライド気管形成術後の男児。術後lt.PSに対して2度バルーン血管形成術(BAP)を行ったが全体的に低形成であったことに起因して瘤形成を認めたためこれ以上のBAPが困難となりstent留置を要した。
【症例2】PA、VSD、PA sling、CTS、右気管気管支の1ヶ月女児。月齢2にPA sling repair、RV-PA shunt(2弁付8mm導管)、スライド気管形成を施行され、術後lt.PSに対してBAPを繰り返したが狭窄部末梢も低形成のため効果不十分でstent留置を要した。
【症例3】sinple CoA、PDA、CTS、右肺無形成の女児。新生児、低体重(2.5kg)に加え片肺でもあり気管形成・開心術を行うには条件が悪く、CoAに対するBAPも抜管困難リスク等を懸念してまずは内科管理で可能な限り体重増加を目指す方針とした。CPAP管理、lipo-PGE1調整、心不全治療、栄養強化を並行して体重3.2kg弱まで成長を促せて同時手術に向かうことができた。
【症例4】TOF、PA、rt.mBTS術後、CTS、右気管気管支の5ヶ月男児。気管前面に位置し露出した人工物であるBTSは感染リスクのため切除、代わりにpalliative RVOTR (自己心膜で被覆した1弁付8mm道管)とし、同時にスライド気管形成を施行した。術後早期に右室流出路狭窄を呈し感染リスク回避、低侵襲な方法としてRVOT stent留置を施行した。
症例1、2、4では通常では使用しないsmall size stentの留置を、症例3ではlipo-PGE1長期投与という当院における通常とは異なる治療戦略をとらざるを得なかった。CTSを合併した先天性心疾患症例は多科と連携しながら個々の症例に対して最適な治療を目指していくことが重要である。