[III-CPD5-4] 高校生対象サイエンスカフェ「臓器移植をテーマにしたいのちの授業」の経験
キーワード:いのちの授業, 高等学校, 臓器移植
こどもに「いのち」の大切さを教えることの重要性は言うまでもなく、小・中学校学習指導要領でも「生命の尊さ」というのは大きなテーマの一つになっている。しかし、「生命の尊さ」をこどもに教えるのは容易ではなく、学校教育の現場でも様々なアプローチが探られている。2020年度に改訂された学習指導要領では「主体的・対話的で深い学び」が謳われており、アクティブラーニングの実践であり、対話による意見交換により解決策を共に考えだしていくという教育の実践が求められている。小児循環器学会の社会貢献活動の一環として、学校の先生と小児循環器医が連携して教科横断的に授業を行い、児童生徒に「いのちの大切さ」を伝えていくために、学会と教育の連携委員会が設置された。具体的には、生命の誕生、心臓の働き、心臓の病気、小児慢性心疾患児の生~死、心臓移植、AEDを含む心肺蘇生法、などの小児循環器に関連する様々な話題を通して、「いのち」に対する児童生徒の深い思考を育むことを目指している。今回、埼玉県春日部高校からサイエンスカフェという企画で臓器移植について講演を行う機会があったので紹介する。多様な人が携わり、家族の気持ちが大きくかかわる移植医療のストーリーは、現代社会において生徒たちが「いのち」について考えることにも、教科横断的にテーマを掘り下げるのにも最適な素材になりうると思われた。