The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

Presentation information

Committee Symposium

Committee Symposium 4

Sat. Jul 13, 2024 9:10 AM - 10:40 AM ROOM 2 (5F 501)

座長:新居 正基(静岡県立こども病院)
座長:武田 充人(北海道大学大学院医学研究院 小児科学教室)
パネリスト:澤田 博文(三重大学医学部附属病院 小児・AYAがんトータルケアセンター)
パネリスト:吉兼 由佳子(福岡大学医学部小児科)
パネリスト:石田 秀和(大阪大学大学院医学系研究科 小児科学)

[III-CSY4-11] Fontan術後の門脈血行動態に関しての研究

宗内 淳 (JCHO九州病院小児科)

【目的】本研究は肝循環とFALDの病像との関連を明らかにする。【方法】Fonan術後患者において位相差コントラスト法により測定した心拍出量、総肝血流量(肝静脈血流量)、門脈血流量と、プリモビスト造影MRIによる造影前後の信号強度変化率(SI relative index)、肝造影効果率(肝信号/腸腰筋信号比)および肝結節病変の有無を比較検討した。【結果】対象45例(男28)において年齢15(12–20)歳、フォンタン術後12(9–21)年であった。γGTP54(34–93)IU/L、Fib-4 index 1.62(1.09–2.11)、中心静脈圧10(9–14)mmHg、心拍出量2.72(2.23–3.25)L/分/m2、門脈血流量0.34(0.27–0.48)L/分/m2、門脈/総肝血流比86(54–143)%、門脈/心拍出量血流比20(17–24)%であった。また、プリモビスト造影前後の信号強度変化率0.63(0.41–0.77)、造影効果率2.25(2.00–2.53)であった。高中心静脈圧は造影効果率低下(肝線維化)に有意に関連していたが(R=-0.47)、γGTP、Fib-4 index、心拍出量、門脈血流量は、造影前後信号強度変化率および肝造影効果率のいずれにも関連はなかった。結節・腫瘍病変合併13例(29%)において、フォンタン術後年数が有意に高く(21[11–23] vs. 11[8–16]、P=0.048)、心拍出量(2.27[2.06–2.49] vs. 2.94[2.48–3.38]L/分/m2、P=0.020)、門脈血流量(0.27[0.18–0.32] vs. 0.38[0.30–0.49]L/分/m2、P=0.006)および門脈/総肝血流比(53[34–68] vs. 97[66–216]%、P=0.002)、門脈/心拍出量血流比(11[7–12] vs. 14[11–12]%、P=0.013) が有意に低値であった。γGTP、Fib-4 index、中心静脈圧、造影前後信号強度変化率、肝造影効果率は2群間において有意差はなかった。【考察】肝線維化進行は高中心静脈圧と関連していたが、心拍出量・門脈血流量との関連はなかった。しかし結節・腫瘍病変の発症には門脈血流量減少が関連していることが示唆された。