[III-CSY4-12] 本邦における先天性冠動脈対側冠動脈洞起始症の臨床像に関する研究
キーワード:冠動脈起始異常, 全国調査, 臨床経過
背景:冠動脈大動脈起始部異常(AAOCA)はまれな疾患であるが、さまざまな症状を呈する小児の心臓突然死の最も重要な原因の一つである。
目的:AAOCAの臨床像、経過および転帰を日本全国調査に基づき明らかにする。
方法:20歳未満で診断されたAAOCAの報告施設の内、本研究への参加に同意した38施設に質問票を送付し、診断、診断方法、臨床像、臨床経過、転帰を含むデータを収集した。
結果:CT(45%)、冠動脈造影(22%)、心エコー(20%)により、左冠動脈尖からのRCA(Rt-AAOCA)70例、右冠動脈尖からのLCA(Lt-AAOCA)30例、その他7例、合計AAOCA 107例を同定した。42例は12.6±3.8歳で胸痛(n=18)または心イベント(失神、心停止、n=24)を呈し、Lt-AAOCA20例、Rt-AAOCA17例、その他5例と診断された。この内31例が13.1±4.0歳で外科的介入を受けた。すべての症候性患者は17.1±6.2歳まで生存し、診断後の心イベントはなかった。逆に、65人の無症候性患者は5.3±4.1歳と有意に若く来院し、Rt-AAOCA53例、Lt-AAOCA10例、その他2例と診断された。このうち46%は川崎病の臨床管理で発見され、残りは心臓スクリーニングで発見された。6例が外科的介入を受け、すべての無症候性患者は心イベントなしに9.3±4.7歳まで生存した。
結果:AAOCA患者の多くは学童期に心臓症状を呈し、時宜を得た外科的介入が必要であったが、良好な転帰を示した。一方、無症候性患者はより早期に診断され、川崎病の臨床管理は日本における重要な診断契機であった。これらの無症候性患者の管理に関する実用的なガイドラインを確立する必要がある。
目的:AAOCAの臨床像、経過および転帰を日本全国調査に基づき明らかにする。
方法:20歳未満で診断されたAAOCAの報告施設の内、本研究への参加に同意した38施設に質問票を送付し、診断、診断方法、臨床像、臨床経過、転帰を含むデータを収集した。
結果:CT(45%)、冠動脈造影(22%)、心エコー(20%)により、左冠動脈尖からのRCA(Rt-AAOCA)70例、右冠動脈尖からのLCA(Lt-AAOCA)30例、その他7例、合計AAOCA 107例を同定した。42例は12.6±3.8歳で胸痛(n=18)または心イベント(失神、心停止、n=24)を呈し、Lt-AAOCA20例、Rt-AAOCA17例、その他5例と診断された。この内31例が13.1±4.0歳で外科的介入を受けた。すべての症候性患者は17.1±6.2歳まで生存し、診断後の心イベントはなかった。逆に、65人の無症候性患者は5.3±4.1歳と有意に若く来院し、Rt-AAOCA53例、Lt-AAOCA10例、その他2例と診断された。このうち46%は川崎病の臨床管理で発見され、残りは心臓スクリーニングで発見された。6例が外科的介入を受け、すべての無症候性患者は心イベントなしに9.3±4.7歳まで生存した。
結果:AAOCA患者の多くは学童期に心臓症状を呈し、時宜を得た外科的介入が必要であったが、良好な転帰を示した。一方、無症候性患者はより早期に診断され、川崎病の臨床管理は日本における重要な診断契機であった。これらの無症候性患者の管理に関する実用的なガイドラインを確立する必要がある。