第60回日本小児循環器学会総会・学術集会

講演情報

委員会企画シンポジウム

委員会企画シンポジウム5(III-CSY5)
「提言」の実現に向けて: 地域拠点化と育成プログラムの実現化

2024年7月13日(土) 10:50 〜 12:20 第3会場 (4F 409+410)

座長:中野 俊秀(福岡市立こども病院 心臓血管外科)
座長:瀧聞 浄宏(長野県立こども病院 循環器小児科)
コメンテーター:山岸 敬幸(東京都立小児総合医療センター)
コメンテーター:坂本 喜三郎(静岡県立こども病院)

[III-CSY5-2] 小児心臓血管外科医生涯育成プログラムを開始して

松久 弘典, 平野 暁教, 犬塚 亮, 小谷 恭弘, 小田 晋一郎, 本宮 久之, 伊藤 貴弘, 落合 由恵, 瀧聞 浄宏, 中野 俊秀 (兵庫県立こども病院 心臓血管外科)

キーワード:次世代育成, 小児心臓血管外科医生涯育成プログラム, 手術クオリティー評価

小児心臓血管外科医生涯育成プログラム小委員会では小児心臓外科医を志す若手医師が絶えず目標を持って修練に臨めるよう、2023年秋に育成プログラム規則・実施要項を公開し、2024年1月からの育成指導医および施設登録を経て、当初の目標である2024年春からのプログラム開始に向けてようやく修練医を受付ける環境が整った。本プログラム実施における要点は以下の3点である。【日々の修練】育成指導医は手術毎の総合評価に加え、修練医による術前ブリーフィングと術後デブリーフィングを習慣化する事で、修練医が自立した外科医として成長できるようにサポートが必要である。加えてtechnical performance scoreに沿った手術クオリティー評価は、手術の質を担保する一方で循環器内科医の多大なる協力を必要とする。【定期モニタリング】プログラム開始後は6ヶ月毎に外科・内科双方の指導医からの評価に加え、修練医からの逆評価と、修練の進捗状況について事務局に報告し、各施設においてプログラムに沿った修練が実践されているかモニタリングを行う。【レベル審査】各レベルにおいて必要とされる修練実績を満たせばレベル申請となり、手術ビデオ審査では審査員による手術技能の客観的な評価を経てレベル認定となる。しかしながら本プログラムで重要な位置づけにある手術ビデオ審査においては、昨今の個人情報保護の観点から施設同意、患者家族同意は必須となった。小児心臓血管外科医生涯育成プログラムは本邦において考え得る最良の修練環境を実施要綱にまとめ、他学会からの注目も日増しに高くなっているが、その実践においては修練医のたゆまぬ努力と外科内科双方の指導医の多大なる献身なしには機能しえない。当日はプログラム開始状況を報告し、プログラムの継続性、発展性についてのご意見を頂きたい。