[III-OR23-01] Change of cardiac output of orthostatic dysregulation patients between sitting 2nd report
Keywords:起立性調節障害, 循環不全, 易疲労
【目的】起立性調節障害(OD)患児では座位時に心拍出量が減少することすでに報告したが今回例数を増やして追加検討し報告する。【方法】起立性調節障害21例(11歳10ヶ月~16歳5ヶ月、中央値13歳8ヶ月、男児6例女児15例)を対象とした。心電図モニター下に安静臥床心エコー図を実施。MモードTeichholz法にて左室拡張末期容(LVEDV)、1回心拍出量(SV)、心拍出量(CO)、心係数(CI)、心拍数(HR)、左室駆出率を計測した。その後端座位とし同様に計測した。【成績】(単位省略)LVEDVは95.40±18.38⇒63.78±22.01(P<0.01)、SVは68.42±15.19⇒42.5±15.6(P<0.01)、COは4.711±1.034⇒2.445±1.105(P<0.01)、CI3.255±0.774⇒2.444±0.571(P<0.01)、HRは69.9±10.8⇒88.0±15.2(P<0.01)、LVEFは71.38±5.40⇒67.18±9.85(P=0.04)とすべて有意に変化した。【考案】思春期にOD症状(起立時気分不快、めまい、立ち眩み、起床不良、易疲労など)が問題となることが多い。不登校、学習障害も伴い「心療内科的疾患」とされている。しかし、今回の検討では座位であっても心拍出量の有意な(24%を上回る)低下が生じている。CIが2を下回る例も今回2例見られた。これほどの心拍出量の低下はもはや循環不全状態と言えODの諸症状はそれに基因していると思われる。また座位ですら安静時に比し25%以上の心拍増加することから循環維持の為の心負荷は大きく易疲労性の原因となっている可能性もある【考案】1)ODでは仰臥位に比し座位でCIが24%以上減少する循環不全ともいえる血行動態となっている。2)循環維持のため座位ですら心拍数を安静時の25%以上増加させなければならないことが易疲労の原因と思われる。3)ODでは座位ですら「安静」とは言えない。