[III-OR23-05] Epidemiology of the Students Resuscitated and Inserted Implantable Cardioverter Defibrillator After Cardiac Arrest under School Supervision
Keywords:心停止, ICD, 心室細動
【背景】 学校管理下における突然死が、蘇生行動の普及により心停止から救命される事例が増え、適応例では植込み型除細動器(ICD)が入って学校に復帰する例が見られる。第55回学術集会で2007から2012年の6年間24症例の事例を報告した。【目的】5年経過した2015から2021年の報告を集計し、今後の課題を考察する。 【方法】学校災害給付制度に医療費または障害見舞金申請のため提出された報告書から、「AED」「除細動」「ICD」「植込」をキーワードに事例を抽出し、報告内容を調査した。【結果】学校管理下心停止による病院搬送後のICD装着例は、2015年から7年間で全54例報告された。2018年の16例をピークに直近4年間は年10例以上報告された。47例は学校での心停止時にAED通電が確認された。基礎疾患が記載された例は、QT延長3例、肥大型心筋症、拘束型心筋症、不整脈源性右室心筋症が各2例, 修正大血管転位、右冠動脈起始異常、Brugada症候群、持続性心室頻拍が各1例で、その他の41例(76%)は特発性心室細動と報告された。心停止を発症した学年は、小学生6例、中学生11例、高校生38例でうち高校2年が22例(41%)。女児7例(13%)。高次脳機能障害を残したと記載された例は2例であった。54例中11例はS-ICDと明記された。同期間の心臓系突然死は33例であった。【考察】学校からの報告者によるデータベースのため、抽出しきれなかった例がある可能性はあるが、ICD装着例報告数は、年平均7.7例で、5年前の調査時の約2倍に増加していた。蘇生後の重大な神経後遺症の報告は3.7%と良好で、ほとんどの例が学校へ復帰していると思われる。植込み後の作動状況は不明で、学校生活の管理指導区分についてはまだ基準はない。【結論】2次予防でのICD植込み例が、学校生活に復帰している例が急速に増えている。管理指導の基準やガイドライン作成について検討する必要がある。