[III-OR26-03] Challenges to achieve inclusive education for children with congenital heart disease: A survey of childcare facilities
Keywords:先天性心疾患, 就園, インクルーシブ教育
【背景・目的】重症先天性心疾患(CHD)児の救命率が向上した一方、就園年齢で医療的ケアを必要とするCHD児が増加している。本調査は、CHD児のインクルーシブ教育(包容する教育制度:障害の有無にかかわらず誰もが望めば合理的な配慮のもと地域の普通学級で学ぶ)を実現させるための福岡県の現状把握を目的として行った。【方法】県内の保育施設(2980施設)を対象にCHD児の就園状況・心肺蘇生法(CPR)講習開催率・自動体外式除細動器(AED)設置率・看護師在園率等について調査した。【結果】475施設(15.9%)から回答が得られ、研究に同意した464施設を対象とした。53施設に76名のCHD児(全園児の0.2%)が就園中であり、過去に71施設で就園経験があった。在宅酸素可能な施設は13.8%あり、過去に10施設で在宅酸素を必要とした児の就園経験があった。過去に10施設でペースメーカー児も就園していた。『登園中に投薬可能な施設』は66%、『看護師が常駐する施設』は35%、『CPR講習会を開催している施設』は73%、『AEDを設置している施設』は59%であり、全てに該当する施設は19%であった。63%(236/383)の施設は、保育士・看護師不足、知識不足、主治医との不十分な連携のためCHD児の就園は困難と回答した。状況により可能とした84施設(22%)も重症CHD児の就園は困難と回答した。82%(307/376)の施設が、『園児の病状把握・主治医との連携が可能なツールが就園に役立つ』と回答した。【考察・結論】CHD児の保育施設への就園を拡大するために、人材や設備の確保だけでなく、就園施設と主治医とをつなぐツールも有用な可能性がある。