[III-OR27-01] Pathogenic roles of intercellular crosstalk between cardiac fibroblasts and cardiomyocytes in pediatric restrictive cardiomyopathy
Keywords:拘束型心筋症, iPS細胞, 線維芽細胞
【背景】拘束型心筋症(RCM)では複数の病原遺伝子が報告されているが、約半数の症例では遺伝子変異が見つからず、同じ遺伝子の変異でも異なる臨床像を呈するなど、RCMの病態は心筋細胞(Cardiomyocyte: CM)の遺伝子変異だけでは説明がつかない。これまで我々は、心臓の重要な構成細胞である心臓線維芽細胞(Cardiac fibroblast: CF)に着目し、RCM-CFが病態形成に重要な役割を果たしていることを報告した。今回、患者iPS細胞とゲノム編集技術を用い、RCMにおけるCF-CM間の相互作用が病態に果たす役割を解析した。
【方法】ヘテロ接合のTNNI3 (心筋トロポニンI)変異をもつ小児RCM患者よりiPS細胞株を樹立し(Hetero)、変異を修復したisogenic correction株 (Iso)と、変異をhomozygousに導入した株(Homo)を確立した。それぞれのiPS細胞をCMに分化させ、CFとの共培養をおこない、CM-CF間で互いに与える影響を解析した。
【結果】RCM-CMが健常CFに与える影響を解析するため、それぞれのiPS-CMと共培養したCFの生理学的機能(増殖・遊走・接着・細胞死)を解析したが有意差は認められなかった。RNA-seq解析では、TNNI3変異のHetero-CM, Homo-CMと共培養した健常CFの遺伝子発現パターンは、遺伝子修復Iso-CMと共培養したCFに比べて大きく変化していた。一方、小児RCM患者から採取したCFと健常iPS-CMを共培養すると、健常iPS-CMの拡張能が有意に低下し、CMとCFの間で双方向性の病態形成作用があることが示唆された。
【結語】CMとCFは互いに影響しあい、RCMの病態形成に関与していると考えられる。
【方法】ヘテロ接合のTNNI3 (心筋トロポニンI)変異をもつ小児RCM患者よりiPS細胞株を樹立し(Hetero)、変異を修復したisogenic correction株 (Iso)と、変異をhomozygousに導入した株(Homo)を確立した。それぞれのiPS細胞をCMに分化させ、CFとの共培養をおこない、CM-CF間で互いに与える影響を解析した。
【結果】RCM-CMが健常CFに与える影響を解析するため、それぞれのiPS-CMと共培養したCFの生理学的機能(増殖・遊走・接着・細胞死)を解析したが有意差は認められなかった。RNA-seq解析では、TNNI3変異のHetero-CM, Homo-CMと共培養した健常CFの遺伝子発現パターンは、遺伝子修復Iso-CMと共培養したCFに比べて大きく変化していた。一方、小児RCM患者から採取したCFと健常iPS-CMを共培養すると、健常iPS-CMの拡張能が有意に低下し、CMとCFの間で双方向性の病態形成作用があることが示唆された。
【結語】CMとCFは互いに影響しあい、RCMの病態形成に関与していると考えられる。