[III-OR27-04] Evaluation of Thrombogenicity Using T-TAS in Pediatric Fontan Patients
Keywords:T-TAS, フォンタン, 血栓形成能
【背景】フォンタン術後血栓塞栓症に対する確立された予防法は存在せず、至適抗血栓療法の確立には個々の血栓形成能を評価しうる新たなツールの開発が望まれる。Total Thrombus-Formation Analysis System(T-TAS)は病的血管を模したマイクロチップ内に患者血液を流すことで、血流下における血栓形成過程を総合的かつ定量的に解析できるシステムである。【目的】T-TASにて小児フォンタン術後患者の血栓形成能の評価・検討を行う。【方法】本研究に同意の得られた心臓カテーテル検査を実施したフォンタン患者(F群)20人:年齢中央値(四分位範囲)7.9(6.5,9.0)、カテーテル検査前より抗血栓療法を中止とし投薬なしの状態でのT-TAS値を測定した。T-TAS値は低い程血栓形成能が低いことを表す。対照群(C群)とし学校検診等にて受診し同意の得られた30人:年齢中央値(四分位範囲)7.0(5.5,9.3)のT-TAS値を測定し比較を行った。またF群に関してはT-TAS値に影響する因子の検討を行った。【結果】F群はC群に比較し血栓形成能が低いことが示された[PL18-AUC 10、中央値(四分位範囲)356(313-394) vs 408(392-424);AR10-AUC 30、中央値(四分位範囲)1270(1178-1351) vs 1382(1338-1421)]。T-TAS値に関連する因子の検討においては既報と同様にT-TAS値には血小板数とヘマトクリットが影響しPL値とCVPに負の相関,Rsに正の相関関係が認められた(CVP: Rho -0.495 P<0.05, Rs: Rho 0.622 P<0.05)。【結論】T-TASによる血栓形成能評価において小児期のF術後患者の血栓形成能は低く、一次止血能には灌流圧の影響がある可能性が示唆された。