The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Oral Session

多領域

Oral Session (III-OR28)

Sat. Jul 13, 2024 11:20 AM - 12:20 PM ROOM 7 (4F 404-406)

座長:吉田 佳織(大阪母子医療センター)
座長:高 寛(岡山大学病院 臨床工学センター)

[III-OR28-04] Testing the Effectiveness of Viewing-based Preparation Support for Patients Undergoing Cardiac Surgery

鷺谷 瞳1, 涌水 理恵2, 一石 亜美1, 根本 真依子1, 瀬尾 真理子1, 加藤 秀之3, 平松 祐司3, 神谷 純子1, 長田 真理子1, 飯田 育子1, 松原 宗明3 (1.筑波大学附属病院 看護部, 2.筑波大学医学医療系 発達支援看護学, 3.筑波大学医学医療系 心臓血管外科)

Keywords:プレパレーション, メンタルヘルスリテラシー, インフォームドアセント

【背景】医療介入に対する心理的準備(プレパレーション:Prep)の有効性は数多くの事例で報告されているが、手間暇がかかる故にそのアプローチ法は施設や職種間によって異なり、効果に一貫性がないというジレンマが生じている。また先天性心疾患の患者では、その病態の重篤さゆえに術後患児の心理的混乱が生じやすいため、メンタルヘルスリテラシー教育にも繋がる新たなPrepの開発が求められている。【目的】心臓手術をうける学童期患児に対し、ハートチーム全体として標準化された新たな視聴型Prep支援を導入し、その効能について検討する。【方法】当院で2018年11月~2023年7月に心臓手術をうけた5~16歳の患児8名とその保護者を対象とし、当院の臨床研究倫理審査委員会の承認(H30-112)を受けて実施した。術前外来時に対象者情報を取得し、ハートチームメンバーが連携・協働してPrep(アート化した動画を用いた支援)を行った。術前入院時にもPrep(PICU見学、イメージプレイ)を行い、退院約1カ月後の外来時に患児・保護者の面接・無記名自記式の質問紙調査を行った。対象者には1)病状の理解2)対処能力(リハビリへの参加行動・痛みの描出など)3)心情の変化の3つのフレームに沿い質問した。【結果】対象患児は男児5名、女児3名(平均年齢9.8歳)。患児の病状の理解、闘病に対する意欲上昇や周術期の不安・恐怖の軽減が促され、術後の大きな心的混乱も認めなかった。また患児の疼痛表現やケア・リハビリ参加時における自己対処能力の向上も見られた。【結論】職種領域の枠を超え部分的に画一化されたアート主体の視聴型Prep支援を導入することで、患児のPrepへの興味が倍加し、周術期の患児の不安払拭のみならずスムーズなリハビリ導入などが促された。今後は多様性に順応可能な年代別のPrep作成や、どの医療者が行っても差異が生じないプログラム(Web化)を構築し、心臓病児のウェルビーイング向上に繋げていきたい。