[III-OR28-04] Testing the Effectiveness of Viewing-based Preparation Support for Patients Undergoing Cardiac Surgery
Keywords:プレパレーション, メンタルヘルスリテラシー, インフォームドアセント
【背景】医療介入に対する心理的準備(プレパレーション:Prep)の有効性は数多くの事例で報告されているが、手間暇がかかる故にそのアプローチ法は施設や職種間によって異なり、効果に一貫性がないというジレンマが生じている。また先天性心疾患の患者では、その病態の重篤さゆえに術後患児の心理的混乱が生じやすいため、メンタルヘルスリテラシー教育にも繋がる新たなPrepの開発が求められている。【目的】心臓手術をうける学童期患児に対し、ハートチーム全体として標準化された新たな視聴型Prep支援を導入し、その効能について検討する。【方法】当院で2018年11月~2023年7月に心臓手術をうけた5~16歳の患児8名とその保護者を対象とし、当院の臨床研究倫理審査委員会の承認(H30-112)を受けて実施した。術前外来時に対象者情報を取得し、ハートチームメンバーが連携・協働してPrep(アート化した動画を用いた支援)を行った。術前入院時にもPrep(PICU見学、イメージプレイ)を行い、退院約1カ月後の外来時に患児・保護者の面接・無記名自記式の質問紙調査を行った。対象者には1)病状の理解2)対処能力(リハビリへの参加行動・痛みの描出など)3)心情の変化の3つのフレームに沿い質問した。【結果】対象患児は男児5名、女児3名(平均年齢9.8歳)。患児の病状の理解、闘病に対する意欲上昇や周術期の不安・恐怖の軽減が促され、術後の大きな心的混乱も認めなかった。また患児の疼痛表現やケア・リハビリ参加時における自己対処能力の向上も見られた。【結論】職種領域の枠を超え部分的に画一化されたアート主体の視聴型Prep支援を導入することで、患児のPrepへの興味が倍加し、周術期の患児の不安払拭のみならずスムーズなリハビリ導入などが促された。今後は多様性に順応可能な年代別のPrep作成や、どの医療者が行っても差異が生じないプログラム(Web化)を構築し、心臓病児のウェルビーイング向上に繋げていきたい。