[III-OR28-06] How do first-year junior high school students perceive their illness?
Keywords:病状説明, 意思決定, 自立支援
【背景】自立支援の一環としても本人の発達に応じた病状説明は必須である。当院では2022年より全診療科で「中学1年生を対象にした病名・病状告知と治療の自己決定に関する問診表」(以下中1問診表)を行い、同年齢からより本人への病状説明を強化する方針としている。【目的】中1問診票の結果から、よりよい説明の方法を考察する。【対象と方法】2022年1月から2023年12月まで中一問診票を記載した2655人中、循環器疾患211人を対象とした。問診内容から中学校1年生の病気への意識を評価する。【結果】「病名を知りたいですか?」の質問に対し「知りたい」40.1%、「知りたくない」5%、「どちらでもない」54.2%であった。「治療の内容を知りたいか?」に対し「知りたい」42.6%、「知りたくない」5.2%、「どちらでもない」52.2%であり、現状の把握を希望する意見は40%にみられる一方、決めかねている意見が50%にみられた。また「治療方針を自分で決めたいか?」に対し「絶対決めたい」5.7%、「だいたい決めたい」26.5%、「あまり決めたくない」6.6%、「絶対決めたくない」2.8%、「どちらでもよい」45.5%、「無回答」13.7%で、治療方針の自己決定に関してはより低い傾向にあった。また対象中23人(10.9%)は記載困難例であった。【考察】アメリカ小児科学会は小児に対しても、インフォームド・アセント(説明と賛意)を推奨しており、その発達段階に合わせ本人の意向を尊重した説明が求められている。今回の結果では中学1年生では自身の病名、病状について関心を持っている患者も多い反面、まだ病気や自己決定について自覚に乏しい患者も多くみられた。対象年齢への病状説明については、まず自分の体の特徴を知ることの大切さなど今後の病状説明のきっかけとなる話し方が必要と思われた。また全体のうち10.9%は強い発達障害を持ち、それぞれに即したよりきめ細かい病状説明が必要と考えられる。