The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

術後遠隔期・合併症・発達

Poster Session(III-P01-1)

Sat. Jul 13, 2024 9:00 AM - 10:00 AM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:岡 秀治(旭川医科大学 小児科学講座)

[III-P01-1-05] Recommendation of protein intake can improve protein losing enteropathy after Fontan operation.

米原 恒介, 瀧聞 浄宏, 武井 黄太, 赤澤 陽平, 澁谷 悠馬, 浅野 聡, 志水 利之, 成田 昌央, 結城 智康 (長野県立こども病院 循環器小児科)

Keywords:タンパク漏出性胃腸症, フォンタン手術, 成人先天性心疾患

【背景】タンパク漏出性胃腸症(PLE)はフォンタン術後の合併症の一つである。アルブミンやγグロブリンの補充を頻回に要することがあり、そのための通院や入院はフォンタン術後患者のQOLを大きく下げる要因になる。今回、フォンタン術後にPLEを発症し管理に難渋していたが、プロテイン摂取を推奨することでPLEの症状が改善した症例を経験したため報告する。【症例1】30歳男性、診断は左心低形成症候群で6歳時にフォンタン手術を行った。術後間も無くからPLEを発症し、ハイゼントラ投与に加えてγグロブリンの静注、アルブミンの補充を頻回に要し、ステロイド内服の増減を繰り返していた。2年間にPLEによる入院を8回、アルブミンやγグロブリンの補充を12回行っており、ハイゼントラ投与は週4g、ブテゾニド9mg/day、プレドニン10mg内服していた。プロテイン15gを連日追加摂取するように指導したところ、その後2年間でPLEによる入院は2回、補充は5回に減少、浮腫の訴えもほぼなくなった。プロテイン摂取前後で、アルブミンは約3 →3.5g/dL、IgGは約450→550mg/dLと上昇。現在、プレドニンは6mgまで漸減しているがPLEの増悪は認めていない。【症例2】23歳男性、診断はエプスタイン病で4歳時にフォンタン手術を行った。8歳時にPLEを発症した。長期間ステロイドを使用していた。2年間で補充療法を8回繰り返しており、浮腫の訴えも7回あった。ハイゼントラ投与は週4g、ブテゾニド9mg/day、プレドニン3mg内服していた。同様にプロテインを連日15g追加摂取するよう指導したところ、その後2年間で補充療法は1回も要しておらず、浮腫の訴えも全くなくなった。アルブミンは約3→3.5g/dL、IgGは約450→750mg/dLと上昇した。ブテゾニドは現在2mg/dayまで減量できている。【結語】PLEに対してプロテイン追加摂取を励行することで症状改善した2症例を経験した。プロテイン摂取はフォンタン術後患者のQOLを向上させる可能性が示唆された。