[III-P01-2-02] Blood transfusion during EXCOR support
Keywords:EXCOR, 輸血, 心臓移植
【はじめに】心臓移植を必要とする小児重症心不全の新規発症数は年間約50例と考えられており、待機患者数は増加の一途を辿っている。体外式補助人工心臓ベルリンハートEXCOR(EXCOR)は、小児重症心不全患者の長期心臓移植待機を可能にしたが、待機の長期化により様々な合併症を経験する様になった。しかし、合併症の種類、頻度、治療についての知見は十分とは言えない。今回我々は、当院で管理したEXCOR患者における、輸血の頻度、原因について検討した。【対象】2019/3/18~2024/1/31に、当院で管理したEXCOR患者7名【方法】 EXCOR装着期間内に、EXCOR装着術以外の理由で、濃厚赤血球輸血(MAP)を必要とした回数と原因、EXCOR装着期間、装着時と最終の体重、予後、PRAを後方視的に検討した。【結果】2例が治療中、2例死亡、3例が心臓移植に到達した。EXCOR装着期間は139-1062日(421±290日)で、装着時の体重は3.9-14.3kg(7.1±3.6kg)、最終の体重は6.6-16.1kg(10.2±3.5kg)と全例で体重増加が認められた。MAPは全例で1-13回(6.1±4.8回)投与され、EXCOR装着日数と正の相関が認められた。輸血の理由と延回数は、創部感染12回(3人)、原因不明13回、鼻血5回、その他の感染・カテ/手術・ポンプ交換各3回、消化管出血2回であった。【考察】 装着期間の長期化に伴い、年長児では、行動範囲が広がり創部の安静が保てず創部の出血、感染を来し、輸血を頻回に要した。また、特に心不全以外の原因がなく、溶血や鉄欠乏がない症例でも、徐々に進行する貧血による食思不振や活気不良に対し、輸血をせざるを得ない状況がある。PRAの測定を複数回施行した症例は3例のみであったが、陰性ではあるがいずれも上昇していた。【結論】EXCOR長期管理に伴い、輸血を要していた。