[III-P01-3-02] Fontan循環成人における運動耐容能と血行動態指標の関連
キーワード:フォンタン術後遠隔期, 運動耐容能, 灌流圧
【背景】Fontan循環は高い中心静脈圧,低い心拍出量,軽度の低酸素血症を特徴とし、二心室循環に比して運動耐容能が低いことが知られるが、中に運動耐容能の良好な一群が存在する.しかし, 運動耐容能の良好な例がどのような侵襲的血行動態指標を示すか検討した報告は少ない.【目的】成人期Fontan患者における運動耐容能と侵襲的血行動態指標の関連を検討する.【対象と方法】対象は18歳以上のFontan術後例のうち, 2017年以降に当院で心臓カテーテル検査と心肺運動負荷検査を同時期に行なった49例. %最高酸素摂取量(%peakVO2)が当院コホートの75%tile以上(≧62%)のH群と,それ以下のL群の2群に分け,血行動態指標を比較した.【結果】対象は49例.うち男性は25例, 体心室右室は20例. 心臓カテーテル検査時年齢の中央値(範囲)は23.7(18.2-40.3)歳. peakVO2は22.17(14.25-33.34)ml/kg/min, % peakVO2は54.57(35.8-85.97)%. H群13例 vs. L群36例の群間比較では、中心静脈圧 11 (8-14) vs.12 (6-18) mmHg, 心拍出量 2.5(1.6-3.5) vs. 2.6 (1.6-5.9) L/min/m2と差は認めなかったが平均体血圧, perfusion pressureは各々84 (54-97) vs. 75 (47-91), (p=0.04), 73(43-83) vs. 63(32-79) mmHg, (p=0.04) で、H群で有意に高かった.【考察】Fontan循環の予後と関連するとされる中心静脈圧は運動耐容能との関連性は低く,灌流圧(体血圧)が高いことが良好な運動耐容能に関連することが示唆された.