[III-P01-3-04] Impact of Optimal Medical Therapy for Heart Failure on Iron Deficiency in Adults with Congenital Heart Disease
Keywords:成人先天性心疾患, 心不全, 鉄欠乏
(背景)心不全での鉄欠乏(ID)は頻度が高く、心不全の加療に伴い改善することも報告されている。しかし、成人先天性心疾患(ACHD)でのIDの頻度は不明であり、また心不全の治療に対する反応も不明である。(方法)当院の外来に通院中の複雑ACHDで貧血を認めない症例(Hb 女性 > 12 g/dL、男性 > 13 g/dL)を対象とした。最新の心不全のガイドラインに準拠した内服加療の前と3ヶ月後に血液検査と心肺運動負荷試験を行った。IDはフェリチン100 μg/L未満、もしくはフェリチン100-300 μg/Lかつトランスフェリン飽和度(TSAT)20%未満と定義した。(結果)総計35人のACHD患者を登録した(女性 14人、年齢 34歳[26-49])。体心室左室は20例、体心室右室は9例、単心室は6例であった。14人がIDであり、心不全に対する内服加療によりID群、非ID群でBNPは改善した(ID群: 88 [58-143] to 76 [47-106] pg/mL; 非ID群: 39 [14-84] to 28 [15-54], all P < 0.05)。また加療により非ID群ではフェリチン、TSATは不変であったが(フェリチン 175 [146-235] to 173 [148-202] μg/L; TSAT 30 [25-40] to 31 [26-36] %, all P = NS)、ID群ではフェリチン、TSATは微増したが(フェリチン 31 [12-65] to 68 [22-98] μg/L; TSAT 12 [8-18] to 28 [16-31] %, all P < 0.05)、加療後もIDの状態のままであった。また、ID群では加療によりpeak VO2の改善を認めた。(結論)複雑ACHDでIDの頻度は高く、心不全の加療に伴い改善した。しかし、改善はわずかで加療後もIDの状態であり、鉄補充が必要である可能性が示唆された。