[III-P01-3-05] A study of iron deficiency in the patients after Fontan operation
Keywords:フォンタン術後, 貧血, 鉄欠乏症
【背景・目的】近年、心不全と鉄欠乏の関連性についての報告が散見される。フォンタン術後患者においても鉄欠乏性貧血の合併を認め、治療とその効果は確立していない。今回、当院Fontan術後患者における鉄欠乏の有無に関して、血清鉄・血清フェリチン値のデータ収集と共に、Fontan圧・腎機能・SpO2、術後遠隔期合併症との関連性について検討した。【方法】当院でフォンタン手術を行った2023年12月31日時点で16歳以上の23人を対象とした。鉄欠乏の基準をフェリチン値<12μg/Lで2群に分類した。腎機能(Cre, eGFR)・ Fontan圧・SpO2などを2群間で統計学的に比較検討した。【結果】鉄欠乏群10名、鉄正常群13名であった。男性7名女性16名、平均年齢35±2.5歳で2群間に差は無かった。心不全に関与する血液検査・心臓カテーテル検査の心機能的項目のいずれにおいても有意差は認めなかったが、鉄欠乏の多くは女性である傾向にあった。また貧血に対する鉄剤の投与による改善した症例は認めなかった。【考察】フォンタン術後患者における鉄欠乏の有無は、Fontan圧・腎機能などと有意な関連性は認めなかった。しかし、術後遠隔期合併症については出血、特に女性においては月経過多なども鉄欠乏性貧血の一因となっており、鉄剤投与のよっても改善を認めなかったことから月経コントロールの重要性が高い事が示唆された。