[III-P01-3-08] Five cases after Fontan surgery recognized nodules and tumor lesions in liver MRI
Keywords:Fontan, FALD, 肝臓MRI
【症例1】三尖弁閉鎖(1c).2才時TCPC施行.17才時CVP 11mmHg,CTで肝外側区S2に19×19mmの結節を認め,MRIでT1強調T2強調ともに等信号/早期濃染あり/washoutなし/肝細胞相で取り込みあり限局性結節性過形成様病変(FNH-like lesion)と診断.【症例2】単心室.1才5ヶ月時TCPC施行,9才時CVP 13mmHg.13才時スクリーニングMRIで肝内多発粒状結節を認め,最大6mm/ T2強調一部淡い高信号/早期濃染あり/washoutなし/肝細胞相取り込みありFNH-like lesionと診断.【症例3】単心室.2才時TCPC施行,14才時CVP 12mmHg.18才時のCTで肝内多発結節を認め,MRIで最大12mm/多くはT2強調等信号/早期濃染あり/washoutなし/肝細胞相取り込みありのFNH-like lesion,一部に肝細胞相取り込み低下の6mm小結節を認めたが3ヶ月後のMRIでは肝細胞相取り込み低下は不明瞭であった.【症例4】単心室.5才時TCPC施行,16才時CVP11mmHg, V-V shuntあり.過去の腹部USで結節の指摘はなく,19才時のMRIで30mm/肝細胞相取り込み亢進の結節を認めFNH-like lesionと診断.【症例5】TGA,small RV.4才時TCPC施行,30才時CVP 17mmHg.AFP24.9ng/mlと上昇,造影USで早期濃染,MRIで18×20mm/早期濃染あり/washoutあり/肝細胞相取り込み低下の結節を認め,肝癌(HCC)の診断でS4部分切除を行った.切除後9ヶ月のMRIで同様の結節多発を認め多発HCCの診断でがん免疫療法を開始した.全例で肝線維化マーカーM2BPGiの上昇はみられず,症例5のみAFP上昇を認めた.
【考察】10代ですでにMRI検査で肝臓内の結節を認めた4症例はCVP11~13mmHgであった.肝臓MRIで結節が発見された場合にどのような管理やフォローが適切であるか分からない点が多い.フォンタン術後のFALDの横断研究だけでなく,スクリーニング時期を決めた前向き研究を行い,肝結節やHCCへの進展について経時的な変化に注目した疫学研究を開始するきっかけとしたい.
【考察】10代ですでにMRI検査で肝臓内の結節を認めた4症例はCVP11~13mmHgであった.肝臓MRIで結節が発見された場合にどのような管理やフォローが適切であるか分からない点が多い.フォンタン術後のFALDの横断研究だけでなく,スクリーニング時期を決めた前向き研究を行い,肝結節やHCCへの進展について経時的な変化に注目した疫学研究を開始するきっかけとしたい.