The 60th Annual Meeting of Japanese Society of Pediatric Cardiology and Cardiac Surgery

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Poster Session

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Poster Session(III-P01-4)

Sat. Jul 13, 2024 9:00 AM - 10:00 AM Poster venue (2F Multi-purpose Hall)

座長:坂崎 尚徳(兵庫県立尼崎総合医療センター 小児科)

[III-P01-4-03] A pediatric case of hamartoma of mature cardiac myocytes treated with partial tumor resection due to right ventricular outflow tract stenosis

鈴木 康太, 松木 惇, 藤井 隆, 高橋 辰徳 (山形大学 医学部 小児科)

Keywords:心臓腫瘍, Hamartoma of mature cardiac myocytes, 流出路狭窄

【背景】原発性心臓腫瘍は発生率0.2%程度とまれであるが、中でもhamartoma of mature cardiac myocytes (HMCM)はさらにまれである。HMCMは典型的には左室自由壁から発生し、多くの患者で心臓症状を伴わず、画像検査で偶然発見される。しかし、中には呼吸困難や胸痛、持続性心室頻拍、さらには心臓突然死を呈することもある。今回、心雑音を契機に発見され、経過中に右室流出路狭窄が出現し部分摘除術を行った巨大HMCMの1例を経験したため報告する。
【症例】4歳男児。感冒で近医を受診した際に心雑音を指摘され、当院のエコーで右室心尖部から流出路まで内腔に張り出す径6 cm台の腫瘤性病変を認めた。CTで石灰化や脂肪・嚢胞成分はなく、MRIでは径6 × 5 cm台、容積 83 mL、T1低値、T2高値で周囲心筋と同程度の造影効果を認めた。FDG-PETで遠隔転移を疑う集積亢進はないことから、原発性心臓腫瘍の中でも線維腫が疑われた。定期MRIでは、5歳時で径8 × 6 cm台、容積133 mL、6歳時で径9 × 7 cm台、容積207 mLと緩徐ではあるが明らかな増大を認めた。さらに、進展した腫瘍により右室流出路で流速2.3 m/secと狭窄も出現したことから、静岡県立こども病院に依頼し腫瘍部分摘除を行った。術中所見では、腫瘍は充実性かつ多房性で、筋層との境界が不明瞭だった。病理所見では、心筋組織に成熟した脂肪細胞が混在し、空胞変性がみられるもののspider cellはなく、HMCMの診断だった。術後も腫瘍は右室内広範囲を占めるものの、流出路狭窄は改善しており無症状で外来経過観察中である。
【考察】HMCMは正常心筋との境界が不明瞭で切除困難なことが多い。成長は緩徐で長期予後は良好とされているが、腫瘍サイズが大きく本症例のように心室流入路や流出路の血流制限が出現し、部分切除を要する症例も存在する。